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【論説・コラム】金では決して買えない健康の価値

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生まれるタイミングについて考えることがある。高校生にバブル期の日本経済を説明すると、「その時代を生きてみたい」と、ある種の羨望を抱かれる。

しかし、高校生だった頃の自分を振り返っても、楽しかった思い出なんて少しも浮かんでこない。賃貸マンションで仕事に追われる両親を尻目に、楽しくもない高校生活の真っ只中で、「ショーコー♪ショーコー」と何やら気色の悪い歌詞を連呼する不気味な集団が選挙カーで世の平和をかき乱し、凶悪事件やら日々値上がりする不動産やら食料品やらで大人たちが疲弊していた。

当時は「楽しくなければテレビじゃない」のフジテレビがトレンディードラマとバラエティー番組でサブカルを牽引。「ネアカ」な人間が天下を取っていた時代だった。現代社会では、1人ひとりをネクラかネアカか、と問われることはあまりない。1人の中にオンとオフのモードがあり、人種差別のごとく「あいつはネクラだよ」などと卑下する人はむしろ差別される時代になった。

30年前は違った。顔ならば大きいか小さいか、ソース顔かショウユ顔かの二択で他人を選別し、勢いや人心掌握力のない同級生は薄っすらと皆から嫌われる……そんな先入観やルッキズムで雁字搦めの、実に粗暴で歪んだ時代だったと思う。フジテレビが視聴率で苦戦し続けているのも、旧時代の価値観をいつまでも番組作りで引きずっていることが一因かもしれない。

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