minsha 「とおる雑言」

【とおる雑言】 自民党女性局は研修成果を示せ 寺井融(母子福祉協会副理事長)

自民党女性局のフランス研修会が一部から批判を受けている。そもそも外国で研修するのがいけないのか。外国に行けば一部に観光日程も入れる。お土産も買うし、記念写真だって撮る。それらが駄目というのか。

費用は参加費と党費だと聞く。議員の海外研修と違って税金ではない。いや政党助成金で国費も含まれていると、したり顔で批判する人もいる。では助成金を何に使ったらよいのか。現実には党や候補の地盤培養に使われているケースも多いのだが……。

いや、すべて駄目だ。税金を政治に投入してはいけないという人もいる。それなら政治活動を何でまかなったらよいのか。あなたは政治献金をしていますかとも問いたい。

政党助成金を受け取らない日本共産党を見習えと述べる人もいる。あの党は革命政党で現体制をひっくり返すのが目的だ。政党助成金をもらえば、原資は国民の税金だから当然使途が問われることになる。それで党の内情を明かしたくないからもらわないだけでないのか。美談ではないのである。

かつて存在した民社党は積極的に海外に調査団を派遣した。たとえば党本部の若手職員をアジア各国で一、二週間、調査に当たらせ、当該国のインフラや日本の援助実態、在外邦人の安全、海外投票権や子女の教育問題などを多角的に調査し、それらをまとめて国会審議に役立てたり、政策提言を行ったりし、そのメンバーから国会議員や市長も誕生させている。アジアを知る人材を育ててきた。これなど生きた研修といえよう。自民党女性局も自信を持って成果を示せばよい。(「とおる雑言」二〇二三年八月)