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【論説・コラム】出生率を上げても亡国に突き進むハンガリーの蹉跌
※イメージ画像
岸田政権が少子化対策に本腰を入れ始めた。3月末、「こども家庭庁」が子育て政策の強化試案を発表。財源を巡る議論が本格化している。
そんな中ハンガリーの少子化政策を近年の成功例として取り上げるマスコミも少なくない。先進国で出生率低下をある程度止めたフランス政府の取り組みを更に強化した「異次元政策」で、子育て世代への無利子貸付や住宅購入補助、子どもがいる母親の所得税の優遇といった極端な優遇策を断行し、徹底支援してきた。
ハンガリーの少子化対策にかける財政支出規模は、名目GDPの5%に及ぶ。日本が2020年時点で1.7%、OECD平均でも2.1%であることを比較しても、突出して多い。結果としてフランスと同じような効果は表れた。2011年に1.23にまで低下したハンガリーの出生率は、2020年には1.56まで上昇した。
出生率上昇だけを最終目標とするならば成功ともいえる。しかし、このわずか0.3ポイントのために多額の財政支出だけでなく、大きな歪みをハンガリー経済にもたらし、深刻なインフレに直面している。
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