araki「拉致問題の闇を切る」

【拉致の闇を切る】 10月21日都庁前広場で大集会を実施します  荒木和博(特定失踪者調査会代表)

 13年前、平成22年(2010)10月23日、私たちは東京都庁前の都民広場で「北朝鮮による拉致被害者救出のための集い」を開催しました。写真はそのときのものです。調査会としては初めての大集会で、特定失踪者の67家族と飯塚繁雄代表(当時)をはじめとする北朝鮮による拉致被害者家族会4家族、合計71家族120人余のご家族が参加しました。
 名前が示す通り、もともと調査を主たる目的としていた特定失踪者問題調査会が大集会をやることについては異論もありました。調査会から離れていった役員もいました。それでも「この一度だけ」ということで集会を行ったのは事態が動かなかったからでした。当時は北海道から沖縄まで、全てのご家族に手弁当で集まっていただきました。また調査会には手足となる組織はありません。全国の支援者の皆さんのご協力をいただきました。様々な方々の必死な思いで開催できた集会でした。
 しかしそれから13年、今日に至っても事態は動いていません。本当に申し訳ない思いですが、もう一度だけ、今度こそ最後の大集会「『おかえり』と言うために~拉致被害者・特定失踪者家族の集い~」を行うことにしました。令和5年(2023)10月21日土曜日、会場は同じ東京都庁前広場です。ぜひ一人でも多くの皆様にご参加いただきたくお願い申し上げます。
 写真をご覧いただけば分かりますが、13年前参加された来賓のうち、石原慎太郎東京都知事・古賀俊昭東京都議会拉致議連会長と飯塚繁雄家族会代表が既に他界され、平沼赳夫拉致議連会長は引退されています。写真に写っているご家族の中でも多数のご家族が亡くなられたり既に施設に入っておられます。今回は旅費はお出ししますが、何人おいでいただけるのか心配です。それでもやることを決めたのはともかく何とか事態を打開しなければという思いからです。もう次はありません。
 5月初め、家族会・救う会と拉致議連の代表が訪米し、先に家族会・救う会で決めた「親の世代が存命のうちに全拉致被害者の一括帰国が実現するなら、わが国が人道支援を行うことに反対しない」という方針への理解を求めました。この方針自体に私は反対であり、それについてはあちこちで述べていますが、このような方針が敢えて出てくること自体、事態が動かないことへの焦りがあるからでしょう。
 事態が動かなければ、それは現状維持ではなく後退です。1日過ぎれば被害者にとっても本人にとっても残り時間が1日減るのですから。今回の集会はそのような思いの中で実施します。ご家族が減っていき、調査会のスタッフや役員さえ何人も病に倒れている中でどこまでのものができるか未知数です。でも、できることは全てやらなければならない。皆様のご協力をよろしくお願いします。
 なお、あわせてお願いです。特定失踪者問題調査会では北朝鮮向け短波放送「しおかぜ」の資金を集めるためのクラウドファンディングを行っています。詳しくは以下のサイトをご覧下さい。ぜひ皆様のご協力をよろしくお願いします。
https://readyfor.jp/projects/shiokaze-2023