明治の御代が始まり、いち早く西欧諸国に肩を並べるべく頑張った日本人は、建築・生活様式・マナーに至る迄、信じられないスピードで習得していった。

そのひとつが鹿鳴館である。海外洋式館の日本初といっても過言ではない西洋館は、1883年に建築された。設計は西洋館普及のためにイギリスから招聘された「通称お雇い外国人」といわれながら日本の西洋建築に多大な足跡を残したジョサイア・コンドルである。

残念ながら1941年に取り壊されてしまったが、三島由紀夫の『鹿鳴館』にもみるように

貴族・政府・財界の社交の場、恋愛の場、マナーを知る場などであったが、中でも一番大きいのが、外交要人との国際的な情報の場という重要な建物だった。

日本人がこの鹿鳴館で西洋を学んだ意義は非常に大きかった。

このようなよう純西洋式建築の迎賓館が無くなったのち、西洋からの賓客は主に皇居をはじめとする各所で行われていた。現在、そのひとつである迎賓館では海外の賓客の宿泊・会議・首脳会談・署名式・晩餐会が行われている。