minsha 「とおる雑言」

五党大連立で諸課題を克服せよ 寺井徹(母子福祉協会監事)

岸田政権の支持率が低迷している。政策課題への対応能力や姿勢が、問われた結果である。〝根回し不足〟も露呈している。自公政権の金属疲労かもしれない。

いったん岸田総理は下野する。そして、当座は自民、立憲、維新、公明、国民の「五党大連立政権」をつくる。首相は野田佳彦、菅義偉のどちらか、元総理が務める。

かつて自民、社会、さきがけの「三党保革連立政権」があった。自民党支持者にとって、村山政権に比べれば野田政権のほうが、より受け入れやすい筈。

自民は岸田、立憲は泉の両党首が留任する。つまり究極の〝総・総〟(総理・総裁あるいは総理・委員長)分離である。各党から大臣・副大臣・政務官を出したらよい。

五党は一致できることから思い切った改革を断行する。憲法改正も、その一つだ。デフレ脱却やデジタル社会づくり、行財政改革や年金・健保などや選挙制度の改正も含まれるかもしれない。その上で、各党が違いを明確にし、次期総選挙に臨む。その結果を受けて、新たな政権をつくる。

この構想の狙いは、沈滞した政治状況を、いったんリフレッシュさせる。そして、いま迫られている課題の対応を急ぐこと。

たぶん各党の中で、強烈な反対意見が渦巻くはずである。特に立憲では、いわゆる左派が、足を引っ張るだろうな。分裂するかもしれない。それはそれで結構! 日本の政治の前進につながる。逡巡しているうちに危機は高まる。安全でなくなって行く。経済も社会も損なわれる。危機管理内閣が急務だ。 (「とおる雑言」二〇二二年十月)