pet「マリの喫茶室」

【マリの喫茶室】(81) ピアニストはYouTuber

少し前までは、「YouTuber」は職業ではない。フリーターか道楽か、と思っていた。

なので、「将来の夢はYouTuberです。」なんて言う青少年をテレビで見ると、もっとまともな職業を目指せばいいのに・・と思ったものです。

しかし、最近、コロナ禍以降、YouTubeを毎日にように見るようになり、レベルの高さに驚いている。見る方はただだが、YouTuberの中には広告収入で莫大な収入を得ている人もいるという。

私のお勧めは、クラシックの奏者である。

 

(1)角野隼人(すみのはやと 27歳)

 東大大学院卒のピアニストという異色の経歴。大学に入る時、芸大か東大か迷ったというのだから天才か。数字とピアノが好きとのこと。

 YouTube名は、「Cateen かてぃん」、登録者は100万人を超えているという人気YouTuberだ。でもコンサートにも出るし、コンクール受賞歴もあるし、テレビ(「題名のない音楽会」など)にも出ている一流のピアニストである。

 だが、主たる活動の場は、YouTubeらしい。

 角野さんの異色なところは、ピアノと他の楽器を組み合わせて弾くこと。片手でピアニカ、片手でピアノを弾くという二重奏など、多彩である。特にジブリの音楽がおすすめ。

 

(2)菊池亮太(32歳)、石井琢磨(32歳)

 先日、地元で、「踊るクラッシック」と題したコンサートを聞きにいったが、すごく良かった。二人とも音大卒で、海外のコンクール受賞歴もある一流のピアニストだが、主たる活動の場はやはりYouTubeとのこと。

 コンクールに入賞してプロデビューするとか、既存の楽団に入るとか、そういうことではなく、自力でチャンスをつかむYouTuberってすごいと思った。決して楽な道ではない。

 今までも色々なクラッシックコンサートを見に行ったが、確かに、二人のYouTuberのコンサートは異色だった。

 【特徴その1】

   観客の層が広い。クラシックはどちらかというとシニアが多いのだが、さすがYouTuber、従来の客層に加えて若い女性が多い。私が行ったコンサートは1階席は完売だった。

 【特徴その2】

   よくしゃべる。普通のクラッシックコンサートは、曲の紹介に少しトークを入れるくらい。しかし、さすがYouTuber、よく話す。笑いをとるセンスもいい。

 【特徴その3】

   同時にYouTubeでオンライン配信をしていた。3000円というので、決して安くない。コロナ禍でオンライン配信が当たり前になってきたが、やはり音楽は生が一番と思っている私には、3000円払ってネットで聞く人たちがいるということが驚きだ。

  (ちなみにコンサートは5000円)

 【特徴その4】

   飽きさせない。連弾や、クラシックの名曲のサビだけメドレーとか、とにかく工夫があって飽きさせない。1曲も短め。同じような交響曲が延々と続き寝てしまうよくあるクラシックコンサートとは一味違う。テンポがいいし、連弾、ソロ、メドレー、オーケストラとの共演あり、しかも、ほとんどが誰も知っているクラッシックの名曲なので、最後まで楽しく、寝ることもなく聞くことができた。おそるべし、YouTuber

 

 そのほかにも、バイオリンやマリンバなど、YouTubeでは様々な音楽が楽しめます。

(屋久島)