kokutai「日本への回帰」「揺るぎなき国体」

【日本への回帰】 書評『指名手配議員』 展転社代表取締役 荒岩宏奨

 平成29年11月、鈴木信行さんが葛飾区議会議員選挙に立候補、そして見事に当選した。私は、維新政党・新風から参議院選挙に立候補した鈴木さんを応援し、ポスター貼りなどのお手伝いをしたことがあるだけに感慨深いものがあった。本書は、その鈴木さんの自叙伝となっている。

 葛飾区で育たった鈴木さんは、わんぱくな子供だったようで高校は2年生のときに中退したそうである。10代の終わりころには先輩に連れられて地元の右翼団体に出入りするようになった。そして右翼活動に目覚めた鈴木さんは、大日本愛国党の赤尾敏や新右翼のイデオローグと呼ばれた野村秋介など著名な右翼人士との交流を持つようになる。このあたりのことは「Ⅰ 私の子供の頃」「Ⅱ 行動する右翼として」「Ⅲ 昭和から平成へ」で詳しく書かれており、昭和後期から平成初期の右翼活動の雰囲気が伝わってくる。

 「Ⅳ 国会への進出を図る」は鈴木さんの活動は議会進出が軸となってくる。私が鈴木さんと知り合ったのこの頃である。この項目を読んでいると、参議院選挙に立候補した鈴木さんのポスターを貼って回ったこと、そのポスターが何者かによって破られたので、再度貼りに行ったことなどを思い出し、懐かしかった。

 この項目の最後には「人生の転機 支えてくれた妻の死去」との小見出しがついた題する文が書かれている。

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