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【コラム】なりふり構わぬお盆直前の岸田内閣改造

※第2次岸田改造内閣の集合写真(官邸HPから引用)

 

7月10日投開票の参院選後、既定路線だった9月の内閣改造を岸田首相は8月10日に前倒しした。墓参や夏祭りなど地元での恒例行事が重視される政治の世界で、お盆直前に人事を行う岸田氏の判断に、永田町と霞が関の政治家・官僚は休日返上の新装開店を余儀なくされた。

 

8月5日の臨時国会閉会後、永田町では事実上の夏休みに入ったとほっとする声もつかの間、同日夕に「10日にも内閣改造」との一報が駆け巡り、国会周辺は騒然となった。

 

「そんなはずがない」

安倍晋三元首相が生前、岸田氏に対し、地元に報告を行う「お国入り」が出来ていない閣僚のために、お盆の時期に政治的日程を入れないよう配慮を求めていた。そう聞いていた安倍派の議員には寝耳に水の方針転換。参院選後の内閣改造は9月以降というのが周知の了解事項だった。安倍氏と岸田氏は当選同期。盟友同士の約束事はしかし、当人である安倍氏が暗殺されたことで、岸田氏はご破算にしたようだ。保守派の議員や支持者の中には、今回の前倒しについて「故人への露骨な裏切り行為」と怨嗟の声も聞こえてくる。

 

一方、岸田氏は全く別の悪夢にうなされている。支持率の急落である。安倍氏を暗殺した山上徹也容疑者(41)の犯行動機である旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と自民党との癒着報道が連日メディアで報じられ、内閣支持率はNHK世論調査(8月5-8日実施)によると3週間前に比べ13ポイント下がって46%に、不支持率は7ポイント上がって28%と、急転直下の危機に直面している。参院選で勝利しながら、直後の支持率急落は前代未聞である。

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