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【論説】歴史上の独裁者と比べても政治能力で劣るプーチン
※イメージ画像
ロシアがウクライナを侵略した2月24日、米国のトランプ前大統領はテレビ番組で「天才だ」「抜け目のない男だ」などと政治的手腕を評価した。
強権体質で空気を読まないエゴイストという点で、自らの信条にも通じる共感を覚えたのだろう。しかし、そうだろうか。
過去の独裁者、たとえばヒトラーはポーランド侵略前には枢軸同盟を結び、直前には敵対視していたソ連とも不可侵条約まで結び、準備万端で世界を二分する争いへの布石をしっかりと打った。人種差別と排外主義で思想を埋め尽くしたロクでもない独裁者だが、戦争で勝つための戦略はしっかりと組み立てていたと評価できる。
第一次世界大戦も同様だ。英仏露の三国協商に対峙して、ヴィルヘルム2世を中心とした独墺伊も三国同盟を結び、後発の帝国主義国家同士で新植民地獲得を狙い「集団“戦争”保障」を結ぶことでリスクを分散した。
開戦から2か月が経過した現在、トランプの言葉は的外れだったと言わざるを得ない状況である。ロシアはほぼ一国でNATO(北大西洋条約機構)を中心とする世界に戦いを挑み、戦力も世論も経済も政治もエネルギーも全てにおいて、向こう数十年、世界の除け者となる展開に至っている。戦後に待ち受けるのは、「ロシア外しの安全保障」であり、国連も今ある安保理の形では存続できまい。ロシアは自らの危険な行動によって世界中の人々に強権国家(狂犬国家)であることを証明してみせた。
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