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【なるほど納得政経塾】-70- 「NATO拡大を促進するロシア」    小山和伸(神奈川大学経済学部教授 経済学博士)

NATOの歴史

 NATO (North Atlantic Treaty Organization, 北大西洋条約機構)は、1949年ソビエト共産主義陣営に対抗すべく、英・米・欧12ヶ国で始まった西側諸国の軍事同盟である。1991年にソビエトが崩壊し、東側の軍事同盟であるワルシャワ条約機構も瓦解した。その後、ソ連時代からの圧政に対する嫌悪感と危機感から、東欧諸国のNATO加入が相次いだ。ソ連時代の圧政を経験したバルト三国やトルコも加盟し、2020年には加盟国が30ヶ国に拡大している。

 旧ソ連圏のウクライナまで、NATO加入の意志を示したことで、業を煮やしたプーチンは、ウクライナへの軍事侵攻を実施した。しかし、この旧ソ連以来の専制的軍事優先の強権的対応こそ、周辺国のNATO加盟を動機づけてきた根本原因である。

 

北欧二か国の同時加盟

 19世紀ナポレオン戦争以来、重武装中立主義を貫いてきた、フィンランドとスウェーデンのNATOへの同時加入が、現実味を帯びてきている。両国がロシアのウクライナ侵攻に際して、対露警戒感を強めたことが原因である。

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