kiji記事

【論説】40年間加熱し続けるガンプラブーム

※最近のプラモづくりでは、プラくずに過ぎないランナーさえも加工ツールとして重用される

 

一時の流行で終わるはずが、いつまで経っても終息しない不思議な社会現象がある。

 

といっても、コロナウイルスの話ではない。ガンダムのプラモデル、通称「ガンプラ」の話である。ガンプラは団塊ジュニア世代、ロスジェネ世代と呼ばれる私(記者)たち1970年代生まれの中年にとって、キン肉マンに登場するキャラクター消しゴム「キン消し」や草創期のPC機である「PC-98」「MSX」、或いは初代ファミリーコンピュータ「ファミコン」などと同様に、小中学生時代にインプットされた宝箱のような言葉である。

 

1970年代末から、テレビアニメの再放送でブレイクした機動戦士ガンダムが放映後のプラモデル販売で爆発的な人気となった。同じストーリーを圧縮した劇場版3部作も1981年春から翌春にかけて上映されガンプラ人気は継続。当時小学生だった私は、それまでの戦隊モノやロボットモノのように「善VS悪」という単純な構図だけでは描かれていない複雑なストーリーがよく理解できないまま、社会現象となっているモビルスーツ(MS、当時はなぜロボットと呼ばないのか不思議だった)を手に入れたくて、近所の玩具店に何十回も通ったが、店頭に並ぶ前に予約待ちでいっぱいになり、入手できなかった。

 

玩具店にコネがある友人に頼み込んでようやく手に入れた「ビグザム」という敵キャラのモビルアーマー(MA)への愛着は今でも脳裏に焼き付いている。主人公アムロ・レイの宿敵シャア・アズナブルが最終回に操る「ジオング」が足のない巨大MSであるのに対し、終盤に登場するビグザムは手のない巨大MA。悪の一族ザビ家の3男で、シャアとは真反対のブサイクで屈強な司令官ドズル・ザビが乗り込み、最後の瞬間アムロに幻影を見せる執念と共に宇宙に散る。

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