kiji記事
【論説】沸点が異様に低い怒りオヤジの恐ろしさ
※イメージ画像
LINEで連絡交換している大学時代の友人が、安倍晋三元首相の最近の発言に激しくかみ付いた。読むに堪えない罵詈雑言。
彼のメッセージ内容をマイルドに書き換えると「仮病で首相を辞職したくせに、今頃偉そうに『プーチンと話し合えるものならそうしたい』だと。北方領土問題も強く交渉できなかった人間が何を言うか。何もできなかった人間は偉そうに発言せず引退しろ」といった内容である。
私は共感できない旨伝え、以下の内容を丁寧に説明した。曰く、潰瘍性大腸炎は仮病でないし、コロナ対応や支持率下落で過度なストレスに晒され病状が悪化したと思われること。辞任後に病状の詳細を公表する必要はないし、ストレスから解放されて症状が好転したので再び精力的に活動していると考えられること。両国の力関係で二国間関係の選択肢は限定される以上、今の日露関係で当時の安倍首相としてできることはしっかりやっていたし、自分が首相だったとしても同様の交渉をしたであろうこと。首相経験者として、日本政府が誤った政策をしないよう、国民向けだけでなく政府にも教訓を示唆しているのではないかということ。
イデオロギーの対立は相手を刺激する。常々「政治と好きなチームの話は飲み会の席でするな」を自戒しているので、LINEとはいえ相手を刺激しないよう、当たりの柔らかい文章で自分の考えを伝えたつもりだった。
ところが、友人からのリプライは怒りが沸騰した状態で「互いに目指すより良き未来の方向性が違うようなので、もう連絡を取り合うのはこれきりにしよう」と綴られ、私のことを「貴方様」と表記。慇懃無礼な代名詞によって、安倍元首相に対する怒りと同様に、抑えられない憤りが文面に横溢していた。最期に「人は見たいものしか見ない」というカエサルの言葉を引用し、「さようなら~、お元気で~」のような形で絶縁された。
この間、私自身は憤りの感情がほとんどない。呆気にとられたというのが正直な印象である。元々、社会人になってから連絡の途絶えていた友人だったが、私が綴っていたブログに反応してくれたことで連絡が再開し、当時モスクワ大学に通っていた彼の元に遊びに行ったこともある。あれから20余年。50歳に近い年齢になって、このような絶縁をされるとは思っていなかったので、彼の激しい怒りの感情を未だに受け止めかねているのが、正直な感想だ。
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