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【論説】プーチン――この男凶暴につき

※プーチン大統領(ウィキペディアより)

 

戦争には、双方に原因があり、どちらが善でどちらが悪とは言えない場合がある。

 

しかし、今回のロシアによるウクライナ侵略は明確に侵略者と被侵略者に分かれ、善悪ははっきりとしている。国家間の覇権争い、利権争いが沸騰したわけでもない。「なぜこのタイミングで?」というくらい唐突に、昨年9月からプーチン露大統領が戦闘準備を開始し、2月22日に実力行使を開始したのである。

 

この種の戦争は歴史的にどのような結末を迎えているのか。第一次世界大戦は1人の青年がオーストリア=ハンガリー帝国大公を暗殺した事件から始まった。いわば、政治家の意志には関わらないところでの勃発だった。第二次世界大戦は異なる。ナチスドイツを率いるアドルフ・ヒトラーが明確な意志でポーランドを侵攻し、チェコ侵攻時に交わした1938年のミュンヘン合意に違反し、英仏の宣戦布告に至った。

 

今回の軍事行動は、第二次世界大戦におけるヒトラーと同じで、独裁者による個人的な判断で国同士の対立を煽る「1人の独裁者が始めた戦争」である。戦争の目的は独裁者次第となる。独裁者の目的が達成されるか、独裁者を排除するか、当事国のどちらかが降参するか。いずれかの状態になるまで終結させることはできない。これまでも散々、NATO及びウクライナはプーチンに働きかけ、クリミア半島強奪を含むウクライナ問題の平和的解決を模索してきたが、プーチンは自らの正当性、すなわちウクライナの恒久的なNATO非加盟と東欧のNATO軍基地撤去――ばかりを提示してきた。

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