kiji記事

【論説】ロシアの強気を裏回しするドイツの厄介さ

※イメージ画像

 

ロシアによるウクライナ侵攻が秒読み段階に入っている。

 

プーチン大統領は北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大に異議を唱え、NATOの宗主たる米国に軍事拠点化の制限やウクライナ・ジョージアなどへのNATO非加盟の約束を取り付けようとしている。

 

表に出る当事者としては、ロシアと米国、ウクライナ。そしてウクライナ隣国ベラルーシも、ロシア軍に協力する当事国となりつつある。

 

東西に敵味方がくっきりと分かれるなか、ドイツの違和感が際立っている。NATOやEUの盟主でありながら、ウクライナへの軍事支援ではヘルメット5,000個だけを贈るという、世界が呆気に取られるほど消極的な関与に終始している。

 

現在、ドイツは対米・対ロ双方に対し、抜き差しならない状況にある。ロシアからドイツに向けてバルト海海底を通り天然ガスを送る新型パイプライン「ノルドストリーム2」が昨年9月に完成し、いつでも稼働できる状態となった。同じルートを通る「1」は2011年11月8日に稼働開始し、すでにドイツを始め欧州各国はロシア産天然ガスにエネルギー供給の多くを依存している。

 

同年3月11日に発生した東日本大震災により福島第一原発事故が発生。ドイツ世論は原発ゼロに舵を振り切り、原発大国である隣国フランスに反発するように火力発電へとシフトした。より多くの火力資源が必要となった結果、メルケル首相(当時)率いるドイツ政権は2017年に「2」の建設工事を許可。露ガスプロム社が中心となる事業会社に欧州企業が出資する形で着工した。

 

欧州のエネルギー供給をロシアに一層依存する結果となるこの計画に、トランプ大統領(当時)は「悲劇だ。ロシアからパイプラインを引くなど、とんでもない」と反対の立場を明確にし、メルケル氏との対立の一因にもなってきた。

記事の続きは有料会員制サービスとなります。

2023年3月より新規会員は新サイトで募集しています。
こちらでご覧ください。

Yamatopress Web News

やまと新聞は日本人による日本のための新聞社です。
会費は月額350円(税込)です。全ての記事・コラムがご覧いただけます。

会員の方はこちら