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なるほど納得政経塾-66- 「フランス原発の国民コンセンサス」 小山和伸(神奈川大学経済学部教授 経済学博士)
権威主義的自由主義アプローチ
福島原発事故以降、日本はもとより世界の先進国に原発回避の風潮が広まった。その中でもフランスは、7割強の原発発電比率を維持している。民主国家である以上、国民合意は不可欠である。フランスでは、いかにして7割強の原発電力への国民合意を形成しているのであろうか。
2003年にフランスで第一回国民エネルギー論争が実施され、2012年には第二回国民論争が実施された。この第二回論争では、インターネットを通じて17万人が参加し、1,200の提案が寄せられたという。投票では、原発の環境変化への懸念を示す意見が58% を占めたという。しかし、投票結果が出て間もない2013年9月には専門家組織であるOPECSTが、原発の急速な縮小は電気料金の急騰とエネルギー危機を招くと警鐘を鳴らした。
さて、国民投票の結果は2015年7月、オランド政権下でエネルギー緑化移行法の成立に反映され、原発依存度を2025年までに50% に引き下げ、再生エネルギーへのシフトを法制化した。ところが、2017年12月マクロン大統領は、この原発依存度50%への移行期限を2035年に10年間延期すると宣言した。
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