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今年は「日本の独立回復70周年」 鳥居徹夫(元文部科学大臣秘書官)
明けましておめでとうございます。
ことし令和4(2022)年は、日本が独立を回復して70年目にあたります。
日本と連合国との終戦は、サンフランシスコ講和条約が発効した昭和27(1952)年4月28日であり、この日が日本独立回復の日です。
それまで日本は、GHQ(連合国の対日占領政策機関)による6年8ヶ月に及ぶ軍事占領状態でした。
世界地図に日本という国が、その6年8ヶ月間に存在しなかったのです。
幕末から明治にかけ、強大な武力をよるヨーロッパ諸国の支配がアジア地域に押し寄せました。
大陸中国を統治する清国は、アヘン戦争(1840~42年)で大英帝国に惨敗し、香港などの割譲や開国を迫られ屈しました。
明治日本の先駆者たちは、日本の主権と独立を維持するため、獅子奮迅の奮闘の連続で、ペリー来航から50年あまりで、近代的な産業国家を建設しました。
そして国難ともいえる日清・日露の祖国防衛戦争を勝ち抜きました。
日清戦争(1894~95年)では、豊島沖海戦、黄海海戦で北洋艦隊を撃破し、ペキンを震撼させ勝利しました。
日露戦争(1904~05年)では、二百三高地陥落を受けての旅順制圧、日本海海戦でバルチィック艦隊を壊滅させ、そして奉天の会戦でロシアのコサック部隊を撃破し勝利しました。
日本の勝利は、アジアの被抑圧民衆を目覚めさせました。そして白人諸国(欧米)の植民地支配と(中国大陸の)華僑の経済支配という「二重の支配」から、解放・独立への大きなバネとなりました。
古来、日本国民は「和の精神」にもとづき、十七条の憲法を制定し、五箇条の御誓文を発布するなど、これらを継承し豊かな精神文化を築いてきました。
昨年、オリンピック・パラリンピックは一年遅れで行われました。コロナ下の非常事態宣言の中、無観客となり規模縮小を余儀なくされましたが、開催国としての責務を果たすことが出来ました。
東京五輪では、日本の将来を背負う選手の活躍が目を見張り、金メダル27個を含む計58個のメダル獲得となりました。
いま日本は、コロナ禍の克服はもとより、長期にわたるデフレからの脱却と、経済の反転攻勢が求められています。
一方、世界に目をむけると、情報技術や知的財産、海洋覇権などをめぐって米中新冷戦時代へ本格的に突入しています。
混迷の世界情勢のなかで、日本は産業活動や経済安全保障、さらには国際政治においても、厳しいカジ取りが求められています。
また私たち日本人は、自らが考え自らが判断し、メディアの論調も批判的に検証することが問われています。
私ども現役世代は、日本国の歴史と伝統を継承発展しつつ、独立自尊の気概をもつ「よき日本人」を、今後とも育成していかなくてはなりません。
今年が皆様にとって、良き年となりますよう心より祈念いたします。