pet「マリの喫茶室」

マリの喫茶室(70) 「言い訳」ばかりの岸田総理

菅総理から岸田総理に変わり、期待感もあったが、最近は失望することが多い。

菅総理は、「安全・安心なオリンピック」を念仏のように繰り返すなど、とにかく説明をしなかったので評判が悪かった。

で、岸田総理はどうか?

確かに説明する。

しかし、判断が遅い、どっちつかずで、軌道修正ができない。説明ではなく、やらない「言い訳」にしか聞こえない。

 

(1)子育て世代への10万円給付

もともと、単なるばらまきなので、総理就任のご祝儀かと思ってしまう愚策である。

ご祝儀なら、迅速に給付すべきであった。

ところが、まず、所得制限で公明党ともめ、その後は、給付方法でぐだぐたの対応をしている。

現金5万円+クーポン5万円とせこい上に、現金振込の事務手数料が300億円(これも十分高いが)かかる上に、クーポン配布に900億円かかるというのだから驚きだ。 

 世論も自治体もこぞって反対していることを受け、岸田総理はようやく現金給付も認めるとは言ったものの、いまだに、「原則クーポン」に固執している。

しょせん、経済効果も一時的な、単なるばらまきなのだから、手間暇かけずに、喜ばれる方法でやるのが一番だと思うのだが。批判されて政策を変えるのはプライドが許さないのだろか。現金給付にしない「言い訳」に終始している。

 

(2)北京オリンピックの外交的ボイコット

アメリカが、人権侵害を続ける中国に対し、北京オリンピックに選手団は派遣するが、政府関係者は派遣しないという「外交的ボイコット」を表明した。選手団は派遣するのだから、オリンピックには何ら影響がない。アメリカの発表を受け、オーストラリアや欧州が次々と外交的ボイコットを発表している。

 外交的ボイコットくらい、さっさとアメリカに追随すればいいものを、と思う。

しかし、岸田総理は、いまだに「しかるべき時期に、国益を考えて判断する」という寝言のようなことを言い続けている。

「しかるべき時期」っていつだ?

 人権侵害を黙認するのは、加担と同じである。独自の判断をしろとは言わないが、アメリカに追随くらいできないのか?

そもそも、人権侵害と関係なく、コロナ禍のオリンピックでもある。渡航者は減らした方がいいに決まっている

 こんな簡単なことも決められないのか、とまた失望した。ここでも決断しない「言い訳」を繰り返している。

 

(3)文書通信費の日割り

 コンセンサスが得られたことからやればいい。日割りにするのは当たり前。

誰もがそう思うだろう。

全部合意できないからといって、何もやらないつもりなのだろうか。

国会開会日にさくさくと「文書通信費の日割り法案」でも出して、この問題にけりをつければよかったのに、と思う。とにかく「やらない屁理屈ばかり」こねている。

 

(4)新型コロナ対策

 新型コロナ対策もぐだぐたである。

「オミクロン株」の検出とともに、「外国人入国禁止」をいう厳格な水際対策を打ち出したのは評価できる。ここは、水際対策をなあなあにしてきた菅政権よりずっと評価できる。

 ただし、すぐに、日本人の帰国はいいと基準を緩め、さらに方針変更を国交省の責任にしたのはいただけない。小さい男だと思った。

政策の変更は構わない。君子は豹変する。しかし、その責任を下の者に押し付けていると、組織は萎縮し、何もやらなくなる。

 

また、ワクチンについてはどうか?

諸外国が6か月で3回目を打つと言っている中で、なぜか「8か月」という独自の基準をだし、世間からたたかれると「前倒しできる基準を厳格に示す」という。

どうせ打つなら早い方がいいではないか。

ワクチンを出し惜しみをする理由が分からない。

ワクチン接種のノウハウは、十分自治体にあるのだから、自治体の判断に委ねればいいものを、ここでも「基準」を持ちだす。

そもそも8か月の判断基準がない。判断ミスを認めたくなくて、屁理屈をこねているのかと思ってしまう。

 

少し違うが、シンガポールでは、ワクチン未接種者がコロナに感染した場合は、治療費は自己負担なのだという。

欧米では、マスクもワクチン接種も義務付けをしようとしている。

 

同調圧力だけで、感染防止対策を押し進めてきた日本だが、少なくとも、ワクチンを打ちたい人には打てる環境を整えてほしい。菅政権以来の課題である。

 

(イルカショー 鴨川シーワールド)