kiji記事
【論説】人生はたった1つ歯車が狂うと
※イメージ画像
買い物客が増える週末夕方。百均と共に「コスパ最高」の呼び声高い業務スーパーに並ぶ。いまテレビでやたらと特集されているせいか、18時前の時間帯はレジ待ち行列が常態化している。
順番が来る。レジは2つしかない。どちらも同じようなタイミングで前の客の精算が終了しかかっているが、右の店員の方が年期が長く処理が速いことは分かっている。右に行きたい気持ちが強かったが、僅かな差で左の方が手隙になった。
後列を気にしながら左にかごを置き、精算を待つ。終わったと思った前の客のカード処理が引っ掛かって、自分の後ろにいた客は右側のレジでサクサクとバーコードの読み込みが始まっている。「選択を誤った」という後悔が脳裏を駆ける。急いでいればイライラする局面だが、週末であり、父親の夕食づくりも残り1個だけ残っていた弁当を購入したので慌てる必要もない。
ようやく商品の読み込みが始まる。中年女性なのでそれなりに慣れた店員かと思いきや、1つ1つの読み込みが手慣れていない。きちんと機械の側にバーコード面を向けないせいか、2回3回と商品を通してやっと次に行く。処理速度で言えば、隣りの2、3倍の時間を費やしている。
「スーパーの店員さんは大変だなぁ」と同情のまなざしで見守る。読み込み通過した商品へのかご入れにも1個1個丁寧に置き、隙間がなくなってくると、前の商品を置き直すなどして、やたらと遅い。
「遅い……いや丁寧な仕事ぶりだな」
自分がイライラし始めていることを感じつつも、ペコパの漫才のように、ポジティブに店員の仕事ぶりを受け止めてみる。
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