araki「拉致問題の闇を切る」
【拉致問題の闇を切る】 官房長官への要請 荒木和博(特定失踪者調査会代表)
本稿が掲載されるころは総選挙の結果が出ているはず。今回の選挙では立憲民主党の千葉6区候補であった生方幸夫議員の「横田めぐみさんは死んでいる」という発言はそれなりに話題になりましたが、それを別にすれば拉致の話題はほとんど出なかったと思います。私が気付いていないだけで、熱心に訴えて下さった候補者がおられたらお詫びしますが、いずれにしても大多数の候補者にとっては「拉致問題どころではない」といったところだったのでしょう
しかし、私に言わせれば逆に「選挙どころではない」というのが正直なところです。国会の拉致特も2年も開かれないというていたらく、政権が始まるときは「最重要課題」、終わるときは「断腸の思い」の繰り返しでは期待をしろという方が無理です。そして残り時間はどんどん少なくなっていきます。
ですから、選挙最終盤ではありましたが、10月28日に私は拉致問題対策本部事務局に赴き、下記の松野博一官房長官兼拉致問題担当大臣への要請文書を手交しました。ともかく「拉致問題を解決して下さい」とか言ったところで、「はい分かりました。政権の最重要課題ですから認定の有無に変わらずやります」でおしまいです。要請文書の内容はそれぞれ具体的なものに絞ってあります。
「拉致被害者全員の一括帰国」は北朝鮮にぶつける要求であって現実にできるものではありません。そして北朝鮮が動かなくても日本の中でできることは山ほどあります。ともかく一つひとつ進めていくことが大事です。ぜひ皆様のご協力をよろしくお願い申しあげます。
————————–
(要請文書)
令和3年10月28日
内閣官房長官兼拉致問題担当大臣
松 野 博 一 様
特定失踪者家族会会長 今井英輝
特定失踪者問題調査会代表 荒木和博
平素の拉致被害者救出のためのご尽力に心より敬意を表します。さて、総選挙の最終盤に誠に恐縮ではありますが、今次選挙でも拉致問題はほとんど争点になりませんでした。被害者及び家族の年齢を考えれば時間の経過は「停滞」ではなく「悪化」です。一刻も早い進展のため、以下の各項目についてお願いする次第です。何卒ご理解賜りますようお願い申しあげます。