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【論説】自民党内で始まった仁義なき戦い

※イメージ画像

 

「猿は木から落ちても猿だが、代議士は選挙に落ちればただの人だ」

 

自民党草創期の重鎮、大野伴睦の名言である。4年間「先生、先生」と仰がれてきた代議士にとって自身の地位は、信託を受けた国民の下僕ではなく、国民という下々民を従える殿上人である。有権者が自らのクビを握っていることは重々承知しているから外面の物腰は柔らかいが、4年間も神輿に乗っていれば大抵の人間が勘違いをし、自身を特別な存在と思い込む人間に変える。

 

であれば尚更の事、議員にとって自らの議席確保は何にも勝る優先事項である。齢82の二階俊博氏が出馬を明言したのも、三男の伸康氏(43)を後継出馬させれば、自らが築いた地盤さえも失いかねないという恐怖がある。

 

たとえ地盤の和歌山3区で公認を勝ち得たとしても、参院和歌山選挙区で5連勝中の世耕弘成氏(58)が党参院幹事長という看板を引っ提げ衆院鞍替えに挑んでくる。選挙結果がモノを言う政治の世界で公認獲得などというものは、その場限りの有効手形である。より多くの票を勝ち得た側が党支部長と公認を託され、敗者のポスターは?がされていく。

 

おまけに二階家の家督争いも絡んでいる。幹事長の威光を背景に自民党が総出で支援した2016年御坊市長選で長男俊樹氏(56)が惨敗した後、三男に後継者の道が開かれたものの、俊樹氏はまだ諦めていないと言われており、今回父親が老体を鞭打って再出馬を決意した一因とも噂される。

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