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石鹸王にして政商 二代目三輪善兵衛・沼津別邸
先代の名前を継承していくのが襲名だが、実業界のみならず相撲の行司、ヤクザや伝統芸能に至るまで華々しく襲名披露が行われている。これは日本だけでなく遠く西洋でもリチャード3世やアンリ4世などがあるから、偉大な先祖の基に家系を護りますよ、というのが襲名である。
沼津市、若山牧水記念館の向かい、沼津御用邸に近い場所にあるのが、現在、宿泊・レストランとして営業している「沼津倶楽部」である。この建物の施主は「わっ、わっ、わーがみっつ♬」でお馴染みのミツワ石鹸の2代目三輪善兵衛である。
三代目善兵衛で惜しくもミツワ石鹸は消えてしまったが、沼津の別荘はしっかりと当時の姿を残している。北条一族のお膝元沼津は、美味しい漁港で現在も有名だが、海軍兵学校があった地としても知られている。温泉あり、美味しい魚あり、ということで熱海よりちょっとばかり懐が深い感があるからこそ天皇家の別邸の地とされたのだろう。
三輪善兵衛別邸(現・沼津倶楽部)は前述したように二代目三輪善兵衛により建築された本格的数寄屋建築として専門家の間でも高名である。
「数寄屋造り」とは簡単にいうと茶室作りを基にした建築法である。従ってその工法は繊細かつ微妙な魅力と技を尽くした結果となっている。柱は細く天井も一般的には低い。庭園に植えられた松も竣工当時は背が低く、海が一望できたという。
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