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なるほど納得政経塾-63- 「笑止千万な中共のTPP加盟申請」 小山和伸(神奈川大学経済学部教授 経済学博士)
習近平国賓来日提案に並ぶ世迷言
環太平洋の国々の間で、モノとサービスの自由化を目指し、知的財産や新しい金融手法等に秩序あるルールを作ることを趣旨とするTPP (Trans-Pacific Partnership, 環太平洋パートナーシップ) に、知的財産の窃盗を繰り返し、朝令暮改の国内法で外国資本を締め上げる、一党独裁国家中華人民共和国がこの協定に参加したいとの、その魂胆は明白である。
対中包囲網となり得るこの協定に自ら入り込み、本来の自由と秩序を手前勝手に切り崩し、これまで同様の傍若無人な行動への保障を確保しようとするものである。元来、自由主義陣営は、共産主義独裁国家として台頭する中共に対して甚だ甘かった。一定水準の経済発展と国際秩序への参入を果たせば、国際的ルールに則った責任ある行動をとるようになると観ていた。資本・資金・技術の支援を惜しまなかった日米の愚挙を繰り返してはならない。2001年12月のWTO加入承認は、その最たるものであった。
WTOの前身であるGATT(General Agreement on Tariffs and Trade, 関税及び貿易に関する一般協定) への中共の加入をめぐっては、当時アメリカの支援の下にウルグァイ・ラウンド(1986-1994年)で交渉が進められていた。そのさなかの1989年6月に天安門事件が発生し、中共の加盟は流れた経緯がある。この中共の世界的孤立に天皇陛下(現上皇陛下)御訪中を以って、支援の手を差し伸べたのが我が日本国だった。
中共が唱える南シナ海の歴史的領有権を否定した、ハーグの国際仲裁裁判所の判決(2016年7月)を「紙屑だ」と言い放ち、人工島軍事拠点を建設し、チベット・ウィグルなどでの少数民族の虐殺・監禁・虐待はやりたい放題。今年9月からは、習近平思想なるものを中共全土の小・中・高等学校で必修化した。
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