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【論説】中国不動産大手の経営危機が導く台湾有事
※イメージ画像
中国不動産大手「中国恒大(こうだい)集団」の経営危機が世界の注目を集めている。総額33兆円超の負債といえば、世界金融危機を引き起こしたリーマン・ブラザーズ経営破綻時の負債額64兆円の半分以上で、「第二のリーマンショックか」とも噂される。
とはいえ、世界への影響力となると、かなり両ケースの実態に相違がある。2008年に発生した世界金融危機の時は、リーマン・ブラザーズを始めとする欧米の投資銀行がサブプライム商品という玉石混交の金融商品を1パッケージで売り捌き、その格付けが最高ランクから投機レベルに暴落したことがモラルハザードの信用収縮を招いて世界中の投資マネーが収縮し、金融バブル崩壊に発展した。
今回の危機はそこまでの広がりがない。恒大の債権を保有している大半は中国国民であり、直接的に世界の投資マネーが引き上げられるような要因とはなり得ない。ただ、同社の危機が中国経済のバブル崩壊を暗示する「炭鉱のカナリア」として認知されれば、「GDP世界2位の市場が危機的な局面を迎える」との連想から世界経済にまで波及する可能性がないとは言えない。
米国はリーマン危機に際してどのように対処したか。破綻前に、連邦住宅抵当公庫のファニー・メイやフレディ・マックの経営危機が迫り、「大きすぎて潰せない(Too big to fail)」という理由から、約3兆ドルという巨額の公的資金を注入する救済策が施された。リーマンに対しては他の投資銀行への買収が打診されたが、世論の反発もあって公的資金注入が拒否された結果、破綻の道を歩むことになった。
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