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【論説】リベラルなタカ派という河野氏の独特な立ち位置

※河野太郎氏(公式ホームページより)

 

自民党総裁選の報道を見ていると、タカ派を保守、ハト派をリベラル・革新と誤った捉え方をしている記事が散見される。

 

タカ派は強硬派、ハト派は穏健派であり、保守であろうと革新であろうと、タカ派とハト派は存在する。例えば河野太郎氏。4氏の中では政策的に革新的で左派に位置付けられるが、性格はタカ派である。防衛相だった2020年6月、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備プロセスを突然中止すると発表した。

 

自民党の国防族も寝耳に水だったようで、その真意を巡って様々な憶測を呼ぶ事態に発展した。河野氏の見解では「唯一の理由は、ブースターの落下をコントロールできないから。それは地域住民と約束してきた」と言い切ったものの、軍事専門家から見れば日本に向けて放たれたミサイルの方が遥かに脅威である。

 

小野寺五典・元防衛相も新聞寄稿の中で、「飛んでくるミサイルを打ち落とす際、ブースターや破片などがどこに落下するかは通常、考慮されない。ミサイルや爆撃機が落とす爆弾と、打ち落とした後の破片などとどちらが怖いのかといえば、当然、前者だろう」と指摘した。イスラエルがイスラム原理主義組織ハマスによって放たれた無数のロケット弾の9割を防空システム「アイアンドーム」で打ち落とす光景に世界が息を飲んだのは記憶に新しい。おそらく、エルサレム近郊では空中迎撃されたミサイルの破片が次々と地上に降り注いだと思われるが、そのこと自体が深刻な被害をもたらしたというニュースは聞かない。

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