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【論説】情報を咀嚼できない日本人の致命的欠陥

※イメージ画像

 

一方的な情報だけを流す印象操作によって、我々が間違った事実認識を抱くことがある。

 

例えば、近視に悩む人にとって人生の切り札ともいえるレーシック手術が良い例だ。米国で1995年に、日本では2000年1月に認可されてその歴史をスタートさせた。健康保険が適用されず、また10年後や20年後の症例が分からないため、当初は年間2万件の術数に留まった。

 

視力を回復したアスリートや芸能人などの口コミが増えるにつれ注目されていった。当初は両目で60万円以上した手術費も量産化と競争激化に伴って下がり続け、現在は7万円台から受けられる。最盛期は2008年の年間45万件の症例数だったが、翌2009年に29万件と急減。その後も右肩下がりとなり、2014年には年間5万件と尻すぼみのまま現在に至る。

 

原因は2008年9月から翌2月にかけて、銀座眼科で発生した7人の集団感染事件。角膜表層にフラップを作成する手術器具を滅菌処理しなかったために角膜炎を次々と発症させ、刑事事件となった。院長は業務上過失傷害罪で禁錮2年の実刑となり、同院は閉鎖。

 

この報道をきっかけに「視力を取り戻す究極の技術」だったレーシックは、「失明の可能性もある如何わしい施術」という印象が強くなり、パイオニア的資質に欠ける日本人には忌み嫌われるマッドサイエンスのような扱いになってしまった。

 

銀座眼科が用いていた手術器具は手動でフラップを作成する旧型の手術方式で、主流はフラップ作成段階からレーザーを使用する技術だった。フラップ作成により開いた角膜部分に別のレーザーを照射して角膜の一部を消失させ、屈折率を変えることで視力を回復する工程は、どのクリニックでも変わらない。

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