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 [靖国の英霊に誓う] 松木國俊(朝鮮近現代史研究所所長)

今年も8月15日に政府主催の全国戦没者追悼式典が行われる。だがここで毎回念仏のように唱えられる「平和への誓い」なるものに、筆者は大いなる違和感を覚える。この裏には「大東亜戦争は日本が起こした無謀な侵略戦争であり、アジアの人々に多大なる迷惑をかけ、その罰として日本国土は焦土と化した。二度とこのような過ちは繰り返しません」という、戦後GHQに植え付けられた自虐意識があるからだ。

冗談ではない。それならあの戦争で国のために戦って散った人たち(靖国の神々)は「軍国主義」の単なる「犠牲者」となるではないか。それは違う、断じて間違っている。もし日本が立ち上がらなかったら、世界は一体どうなっただろう。

容共かつ人種差別主義者のルーズベルト米国大統領は、有色人種最後の砦である日本を何としても叩き潰すつもりだった。蒋介石政権を手なづけて日本を大陸での泥沼の戦争に引きずり込み、十分に体力を消耗させた上で、資源のない弱みを突いてABCE包囲陣で締め上げ、ハルノートで戦わずして日本に無条件降伏を迫ったのだ。この時ハルノートを受諾していれば日本に共産革命が起こり、ソ連の勢力下に組み込まれた可能性が極めて高い。

米国占領軍総司令官・マッカーサー元帥は、1951年5月3日、米国上院軍事・外交合同委員会で次のように証言している。

「日本には綿がない、羊毛がない、石油の産出がない、スズがない、ゴムがない、その他実に多くの原料が欠如している。もし、これらの原料の供給を断ち切られたら、日本では1千万から1200万人の失業者が発生し、亡国と化するであろうことを日本政府・軍部は恐れていた。したがって日本が戦争を始めた目的は、大部分が安全保障のためだった」

 まさにこの通りである。日本人が全員大陸から引き揚げ、輸出入を閉ざされたら日本は8000万人の食料すら確保できない。大混乱の中でコミンテルンの指令により国内の共産主義者が蜂起し、彼らに共鳴する陸軍軍人が革命に加わる。たちまち日本は共産化して血で血を争う粛清の果てに数百万人あるいは数千万人が革命の犠牲となり、世界の最貧国へと転落しただろう。こうして白人による世界支配が完成することになる。

日本が生き残るためにはここで戦う以外になかった。それは決して無謀なものではなかった。開戦の時点ではインド洋や太平洋における彼我の戦力は日本側がはるかに勝っており、開戦わずか2か月余りでアジアから英蘭の植民地軍を一掃した。ミッドウェーやガタルカナルのような戦略的失策がなければ、米国に厭戦気分が広がり講和に持ち込めるチャンスもあったのだ。

さらに日本の戦争目的は昭和18年11月、東京にアジア諸国の首脳が集まって開催された大東亜会議での声明(大東亜宣言)で明確に世界に発信された。そこにはアジア各国の独立と互恵平等、人種差別撤廃、資源の開放が謳われており、人類史上最も画期的な宣言であった。

大東亜戦争は1945年8月15日に終戦を迎えた。だがこの戦いでアジア各国は独立を果たし、人種平等が達成された。そして世界は自由貿易体制となり、日本は必要な資源をどこからでも安く手に入れることが可能となった。この戦争で日本は経済大国への道が開いたのだ。

一方、米英蘭はその戦争目的である「軍事大国日本を潰す」ことには成功したものの、白人による世界支配どころか、彼らの繁栄を支えていたすべての植民地を失ってしまった。戦争の勝敗が戦争目的の達成であれば日本は勝ったことになる。

大東亜戦争で散華した日本の将兵は、命を捨てて現在の豊かな日本を残してくれた我々の大恩人であり、地球上に人種平等の世界を実現した有色人種全体の英雄なのだ。

その英霊を顕彰することは後進の当然の義務ではないか。ならば国民こぞって靖国神社に参拝し、感謝の祈りを捧げよう。そして我々は英霊に対してこう誓うべきなのだ。

 「この麗しい瑞穂の国を永遠に守り抜きます。二度と戦争に負けません」