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【論説】自民党を引っ搔き回す「裏番」二階氏の手練手管

※二階俊博・自民党幹事長

 

自民党の二階俊博幹事長(82)が、麻生太郎財務相(80)や岸田文雄前政調会長(63)など他の政府・与党幹部と火花を散らしている。都政では小池百合子都知事(68)との協力関係を模索。都議選の応援演説の中で麻生氏が「(小池氏の入院は)自分で蒔いた種でしょうが」と語ったとされる発言について、二階氏は「問題外だと思いますから、答弁は致しません」と一刀両断した。

 

また、次期衆院選の公認争いで、山口3区の現職・河村建夫元官房長官(78、二階派)に対し、元文科相で岸田派の林芳正参院議員(60)が今回、将来の首相を目指し衆院くら替えに固い決意を示しており、どちらも譲れない状況。二階氏は「現職優先」の原則を掲げ、強行出馬すれば処分する方針を示唆している。数多くの議員連盟に名を連ねる河村氏の節操の無さは、多くの議員を取り込む二階派と手法が同じで、二階氏にとって貴重な同志でもある。

 

一方、林氏は英語堪能かつ政策通で知られ、参院議員ながら防衛相や農水相、経済財政担当相、農水相、文科相を歴任。2012年9月の総裁選では安倍晋三前首相(66)と総裁選を争った岸田派の次期リーダー候補だ。参院議員でも首相になれないわけではないが過去に例がなく、高齢の河村氏は今回を最後にして長男に地盤を引き継ぐ予定で、林氏にとっては今回が公認を奪い取る最後にして最大のチャンスといえる。

 

地元では林氏を推す声の方が多く、離党しても勝算は十分にある。党の73歳定年制によって、河村氏は比例の重複立候補ができないため、敗れれば即引退の公算が高い。林氏としてはいったん党を除名されても実力で議席を奪えば、復党し晴れて首相候補に名乗りを挙げることができるとの読みもある。

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