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『新しい歴史教科書』(自由社)が検定合格 声明で全国の自治体・私学に採択の呼びかけ 令和元年度の「不正検定」問題、「従軍慰安婦」記述問題にも言及

3月30日、文部科学省は、『新しい歴史教科書』(自由社)の検定合格を発表しました。これを受けて新しい歴史教科書をつくる会は、3月31日に文科省記者会において会見を行い、下記の声明を発表しました。会見には、高池勝彦会長、岡野俊昭・皿木喜久・藤岡信勝の3副会長、荒木田修理事が出席しました。

今後は、1年遅れとなる採択戦に取り組むのと同時に、文科省による「不正検定」問題や中学・高校教科書の「従軍慰安婦」記述問題についてさらに各取り組みを強化してまいります。

会員、支援者の皆様には、なお一層のご支援の程、よろしくお願いいたします。

 

『新しい歴史教科書』検定再申請の合格報告と今後の課題

                                                              令和3年3月31日

                                                    新しい歴史教科書をつくる会

 

(1)当会が推進し自由社が制作した、中学校用『新しい歴史教科書』は、令和元年度の検定で「一発不合格」となりましたが、令和2年度に再申請した結果、3月30日の検定審議会で合格が決定しました。一度死んだ『新しい歴史教科書』は不死鳥のように蘇ったのです。この度の再申請を支持していただき、多大なるご支援を賜りました皆様に心より御礼申し上げます。
  再申請検定に合格した教科書は、まさに「つくる会」24年の集大成となる教科書です。今後は、文科省の新しい規則に則り、夏の採択に向けて全国採択区や自治体、私学など関係各所に見本本を送付いたします。5月末には検定合格本として市販本も販売を予定しており、さらに6月には全国の教科書展示会が開催されますので、手に取ってご覧いただければ幸いです。
  『新しい歴史教科書』の理念と内容に共鳴し、採択替えをする自治体や学校が数多く現れることを願っております。
 
(2)令和元年度検定に於ける自由社の『新しい歴史教科書』の「一発不合格」について当会は昨年2月より、処分は極めて不当であると訴えてまいりました。昨年6月以降、各社白表紙本(検定申請本)及び採択用見本本などをもとにさらに綿密な調査を行った結果、驚愕すべき事実が次々と明らかになりました。自由社で検定意見を付けられ欠陥箇所とされたのに、他社の同様の記述には検定意見を付けられずそのまま合格しているという事例が、本日までに実に31件も見つかったのです。当会ではこれを検定に於ける「ダブルスタンダード事例(ダブスタ事例)」と呼んでいますが、これほどのダブスタ事例を文科省はどう説明するのでしょうか。回答を求めていきます。
 昨年12月24日、株式会社自由社は、これらを理由に検定不合格は不当とし、文科省に対し行政不服審査請求を行いましたが、不合格処分後3か月という請求期間が過ぎているとして門前払いをされました。そこで同社は、不合格処分によって会社経営に甚大な損害を被ったとして、何らかの法的手段を取ることを検討しています。
 さらに、「文科省『不正検定』を正す会(加瀬英明会長)」では、今年5月に昨年同様に多くの国民の皆様にも参加いただき「不正検定」を正す新聞意見広告を企画しています。新しい歴史教科書をつくる会は、「不正検定」の全容解明を目指して、自由社と「正す会」の取り組みを全面的にバックアップしてまいります。
 
(3)中学校教科書「従軍慰安婦」記述復活問題は日本の将来にとって由々しきことです。ご承知のとおり、令和元年度検定において山川出版社の教科書の「従軍慰安婦」の記述は何の検定意見もつかずに合格しました。この件については当会と慰安婦の真実国民運動(加瀬英明代表)の連名で、3度にわたり大臣に記述削除の申し入れを行いましたが、過去2回は「ゼロ回答」となっています(3度目は3月31日を回答期限としています)。また、国政の場においても、本日までに各委員会で3人の議員が4回にわたって質問を行いましたが、萩生田文科大臣は自らの答弁をひたすら避け、また官僚も矛盾に満ちた答弁を繰り返すのみです。もはや「従軍慰安婦」の記述の正当性はどこにも見当たりません。文科省が検定の誤りを素直に認めて、文科大臣が早期に山川出版社に対し訂正申請の勧告を行うよう、今後も各方面と連携して取り組みを強化してまいります。
 一方で、山川に限らず、高校では「従軍慰安婦」記述がまだ多くの教科書に残る状況で、これは驚くべきことです。今後は高校も含めて、「従軍慰安婦」「慰安婦」の記述を徹底的に問題にして参ります。

(4)この「不正検定」問題と「従軍慰安婦」記述復活問題は、ともに令和元年度検定において発生しました。文科省の教科書検定の実態及び制度に、根本的な問題があると言わざるを得ません。例えば次のような事項を検討することが欠かせません。
    1)検定審議会の議事録の作成と公開
    2)教科書調査官の任用を国会承認事項とする
    3)教科書調査官に任期制を設ける
    4)「誤解するおそれ」などのあいまいな検定基準を廃止する
  当会は文科省の教科書検定の体制・運用が抜本的に改革され、健全化することを目指して今後とも取り組んでまいります。
 国民の皆様のますますのお力添えをお願い申し上げます。

 

(一社)新 し い 歴 史 教 科 書 を つ く る 会

つくる会通信

第442号 令和3年(2021年)4月1日(木)  

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