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【論説】五輪開催の是非はIOCに全権がある

各界で五輪開催を懸念する声が溢れている。スポーツ界からは男子テニスの錦織圭選手(31)が「1万人が選手村に集まって参加する。だから簡単じゃないと思う。特に今、日本で起きている状態はうまくはいっていない」「究極を言えば、1人でも感染者が出るなら気は進まない。例えばだけど、死人が出ても行われることではないと思う」と述べた。女子テニスの大坂なおみ選手(23)も「人々を危険にさらす可能性があるのならば、絶対に議論すべきだと思う」と安全性確保を強調している。

 

芸能人からも強行開催に物言いをつける声は多い。ビートたけし氏(74)は、ご意見番として出演している情報番組では目立った言及はしていないものの、新刊『コロナとバカ』の誌上で政治家を攻撃している。

 

「最終的にどんな決定になるかは置いといて、そろそろニッポンは『お祭り依存体質』から抜け出したほうがいい」とくぎを刺し、「東京五輪より先に手を着けるべきは『参議院解体』だな。本業が怪しくなったタレントや元スポーツ選手を食わせるために税金を投入するのはムダもいいとこだよ。血税を使った五輪で生まれたスターアスリートを、これまた税金で国会議員として一生養うという図式なんだから腹が立つ」「他の国ならとっくに暴動が起きてるよ。ニッポン人はネット上で文句を言うだけじゃなくて、そろそろ本気で立ち上がらないとマズいんじゃないか」と、税金を食い物にし続ける政治家を問題視している。

 

財界からはソフトバンクGの孫正義会長が「(開催は)とても恐ろしい」、楽天Gの三木谷浩史会長が「正直に言って自殺行為のようだ」と、開催によって生じる混乱を不安視している。

 

政府への風当たりは強くなるばかりだが、開催都市の東京都や日本政府に、開催契約を解除する権利はない。IOCとの契約条項には、IOCにだけ開催中止の条項が記されている。その条件として「IOCの裁量で、本大会参加者の安全が理由の如何を問わず深刻に脅かされると信じるに足る合理的な根拠がある場合」と記載されている。IOCがパンデミックを「深刻な脅威」と判断すれば、中止しても契約違反にはならないが、日本政府や東京都が合意なく一方的に中止を決めた場合、違約となり莫大な損害賠償がIOCから請求されることになる。

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