kiji記事
【論説】何度も行きたくなる店と、二度と行きたくない店
最近、ランチに行きつけの飲食店がある。最寄り駅に近く、本来は夕方から開店する全国チェーンの飲み屋だが、コロナ禍の世相もあって1年ほど前からランチ戦線に参入した。周辺の飲食店が競合していることもあり、活きのいい刺身を盛りつけた定食が税抜き500円と安く提供されている。
ホールスタッフはさほど接客態度が良いとは言えず、客が入店し着席すると「消毒お願いしまーす」と言って、差し出した両手に消毒スプレーをシュッと吹きかける。射出された霧水の勢いと量が多いので毎回、Yシャツの袖口に水滴が付くのだが、スタッフは悪びれる様子もなく「ありがとうございまーす」と言ってスプレーを定位置に戻す。一連のルーティンをゼンマイ仕掛けのように繰り返すので、最初は怪訝だった自分も、次第に洗礼の儀式のような気分で軽く一礼して手を差し出し、スプレー待ちするようになってしまった。
全国チェーンといえども、直営店でなくフランチャイズなのだろう。かなり自由な価格設定で、刺身定食のほか、焼肉や唐揚げ、モツ煮込みなどの500円定食が5-6種類のほか、ロース豚カツや金目鯛などちょっと贅沢な定食も580円の日替わり数限定で用意している。接客態度は消毒スプレーの件を見れば分かるようにさほど良くはないのだが、お茶が欲しいと思うタイミングでポットを持ってきてくれるなど、気が付く範囲で気を遣っている。
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