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【論説】首相の逃げ口上は自らの首を絞めている

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仮定の質問には答えられない――昔から政治家の逃げ口上に利用される決め台詞で、菅義偉首相は官房長官時代にも時折用いてきた。

先日、緊急事態宣言の延長について質問された菅氏は「仮定のことは考えないですね」と答えたことで、「またその答えか」と批判する声が上がっている。タレントの松尾貴史氏(60)は、「政治家に必要な要素は色々ありますが、とりわけ想像力が重要なのです。『仮定の質問』に答えられないような無能は、トップに立つべきではないです」「もし現実が想定外になっていた場合に『此処が違う』と説明ができるかどうか。説明する事自体に後ろ向きの彼には、そのことが全くわかっていないのです」とツイートしている。

まず、菅氏の気持ちに立ってみたい。リーダーたるもの、言いたいことも言えない立場であることは斟酌しなければいけない。迂闊な返答で言葉尻を取られて政権運営の足を引っ張られるくらいなら、質問を門前払いしたいという気持ちはよく理解できる。上記の質問に答えた場合、どんな返答をしても「緊急事態宣言の延長に含み」「延長の可能性認める?」などと報じられる可能性は否定できない。「延長しないように精一杯、できることをやろう」と一丸になっているときに、自らの発言で現場に水を差す結果になりかねない。

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