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なるほど納得政経塾-54号- 「安心立命と霊力」 小山和伸(神奈川大学経済学部教授 経済学博士

人間の本質としての霊魂

人間の本質的な存在として霊魂があるらしいことは、多くの宗教において語られてきたが、いわゆる「臨死体験」の研究によって、霊魂の存在が科学的に証明されるようになってきた。例えば、スイス人のエリザベス・キューブラ-・ロスやアメリカ人レイモンド・ムーディー等が臨死体験研究の先駆者であり、その後M. B. セイボムやK. リング、M. ローリングスらが続く。

臨死体験の定義は、一度心臓や脳波、呼吸の停止等があり、医学的な死亡の症状を示してから生き返った体験である。こうした生還者達が「死亡していた」時間に体験した記憶を、インタビューによって蒐集した内容が、彼らの著作の主な内容となっている。そこにはいくつかの共通する体験があるが、人によって違いがあり全く同じ体験をしたという人は少ない。

大略、その共通する体験は、自分の意識が身体から離れて、上方から自分の身体やその場にいる他の人々を見たり、また話している内容を聞いたりしたというもの、またトンネルや橋、あるいはチューブのようなものの中を通り過ぎた体験、その他ひどく大きな音を聞いたとか、先になくなった親族に出会ったとか、あるいは神のような何か絶対的な存在との邂逅を経験したという証言も多い。そして、その臨死体験の最中に心の安らぎを感じたという証言も多い。

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