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【論説】日本と似て非なる英国の潜在力

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イギリス(英国)は日本と似たところがある。戦前は、ロシア帝国の脅威をユーラシア大陸の東と西に感じて、日英同盟を結んだ歴史は1世紀前のことである。世界各地に植民地を形成し、「太陽の沈まない国」として栄華を極めた大英帝国。他の帝国主義国家と同盟を結ばず一線を画してきた覇権国家が1902年、「光栄ある孤立」を捨てて同盟相手に選んだのが日本だった。

日本からの提案ではあったが、共に大陸国家ロシアの進出に脅威を抱いた島国同士、そして海洋国家同士である。拡張政策を続ける巨大帝国に対し、挟み撃ちの牽制を仕掛けた。この同盟で、財政面でも後ろ盾を得た大日本帝国は、単独だったら到底太刀打ちできないロシアを相手に1905年、戦禍を交え、有利な形で終息させることができた。

現下の国際情勢でも、頼るべき縁(よすが)としてアメリカ(米国)という覇権国家に寄り添い、西側の主要国家の1つに位置付けられている点も共通している。人口1億2,650万人の日本に対し、英国はほぼ半数の6,665万人。GDPでは4.97兆ドルの日本に対し、英国は2.85兆ドル。人口規模や経済規模を国力の判断材料とした場合、日本は英国を圧倒している。

日本から見れば、現在の英国は当時の栄華など見る影もない悲惨な状況にも映る。国内世論を二分した挙句にEUを離脱し、貧富の差は拡大し、EUとの間で貿易交渉も前進しない。今後はEUに留まるアイルランドとの国境問題やEU志向の強いスコットランド独立の胎動もあり、低迷し続ける経済と合わせ、内憂外患といった様相を呈している。

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