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【論説】セ・パの実力差と憲法改正問題の共通性
コロナ禍でほとんど話題にも上らなかったプロ野球・日本シリーズは、福岡ソフトバンクホークスが4連勝で東京読売ジャイアンツ(巨人)を破り、日本一に輝いた。昨年と同じ顔合わせで、昨年と同じソフトバンクの4連勝。あまりにもふがいないセ・リーグ覇者の体たらくに、31年前の言葉がネット上を駆け巡った。
「巨人はロッテより弱い」
1989年10月24日の日本シリーズ第3戦。大阪近鉄バファローズの先発投手・加藤哲郎(敬称略)が3連勝した試合を振り返り、旧知の記者から「巨人はロッテより弱いんちゃうの」と訊かれ、「そりゃ、ロッテに失礼や」と返した言葉が、翌日の読売新聞に上記の発言内容で出てしまった。巨人を悪く言う意図ではなく、強力打線を持つロッテが弱いという前提の質問内容を否定する言葉だったのが、巨人をこき下ろす言葉に変換され、巨人ナインやファンを奮起させる一言になってしまった。
その後、巨人は4連勝で逆転優勝し、加藤の発言は球史に残る舌禍事件とされてしまった。今回、検索ワードランキングでこの言葉が復活した理由はしかし、昨今のセ・リーグ覇者が本当にパ・リーグの全球団に勝てないのではないかというほど、実力差が開いてしまったプロ野球の現状を、この言葉が表しているからなのだろう。
2001年以降、20回の日本シリーズはパ・リーグの15勝5敗と勝率6割6分6厘。2005年から始まったセ・パ交流戦でも、優勝チームはソフトバンク8勝を筆頭にパのチーム12勝(セ3勝)で、パの圧勝である。昔から「人気のセ、実力のパ」とは言われていたが、実力差の主因としてよく言われるのが、パ・リーグが1975年から採用しているDH制の影響である。
日本シリーズではホーム側のルールが採用される。パのホームゲームでは、DH専任のレギュラーが活躍する結果、パ・リーグ覇者の勝率がダントツである。セはDHに代打要員を充てるしかないので、球団を代表するスラッガーをDHに固定したパに得点力で適わないのである。
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