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【論説】血の通わない佐賀県警本部長の事件コメント
役所は自らの過ちを決して認めない。企業イメージが業績に直結する営利組織であれば、不遜と思われる態度は決してできない。ところが、行政機関には組織防衛のインセンティブしか働かないから、たとえ非人道的な結果を招いたところで、氷のように冷たく自らの正当性だけを主張する。
昨年10月、福岡県太宰府市で佐賀県基山町の当時36歳の主婦、高畑瑠美さんの遺体が見つかった。太宰府市の無職・山本美幸被告(41)と元暴力団員・田中政樹被告(47)、無職・岸颯被告(25)の3人が傷害致死罪などで起訴されている。高畑さんの家族は事件前、佐賀県警鳥栖署に計11回も相談に訪れ、命の危険が迫っていることを訴えたが、署員はまともに応対しなかったとして、問題となっている。
発端は金銭トラブルだが、山本被告らの一方的な言い掛かりと言っていい。約10年前、瑠美さんの実兄Aさんの同僚が山本被告から50万円を借りたとされる。同僚はAさんを保証人にしたまま失踪し、山本被告らはAさんに返済を迫った。
Aさんは数千万円も支払ったが利息は増え続け、次のターゲットにAさんの妹・瑠美さんを選ぶ。瑠美さんと共同生活を始めたように装い、家族から引き離して人質にし、精神錯乱状態に追い込んだ。瑠美さんは自身が支払うだけでなく、命じられるがままに電話口で家族に金を要求した。山本被告は瑠美さんを連れてホストクラブに入り浸り、浪費し続けた。大量の飲食を瑠美さんに強制し、心身ともに追い込んでいったようだ。監禁状態にして恐怖支配する手口は、2002年に発覚した『北九州監禁殺人事件』と類似している。
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