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【論説】「大阪都構想」が再び否決―松井市長は任期全うし政界引退へ
大阪市を廃止して4つの特別区にする「大阪都構想」の住民投票が1日行われ、5年前の住民投票と同様に否決された。地域政党の「大阪維新」、国政政党の「日本維新」双方の代表を務める松井一郎市長は、残り2年半の任期を全うし、公言していた通り政治家を引退する意向を表明した。また、大阪維新の党代表も辞任することを発表した。
住民投票は、反対票69万2,996票に対し、賛成票67万5,829票。1.2ポイント差(1万7,167票差)で、前回の0.8ポイント差(1万741票差)に続き、大接戦の末に反対派の勝利となった。
大阪市の有権者220万人余を対象に行われた今回の住民投票では、5年後に政令指定都市の大阪市を廃止して4つの特別区に再編することの賛否が問われた。大阪維新の会と公明党は、「大阪市を廃止し、府市の二重行政を解消して大阪全体をより効率的に成長させる」と訴えた。一方の自民党や共産党などは、「大阪市をなくせば、住民サービスが低下する」と反論し、国政の与野党が斑模様になって激しい舌戦が行われた。
公明党を賛成派に取り込んだ今回は、昨年4月のダブル選で知事選と市長選を制した維新有利に展開すると予想された。中盤までは賛成派の有利に進んだものの、残り2週間を切る段階で賛否は拮抗し、終盤の10月26日、毎日新聞が「大阪市4分割なら218億円のコスト増」という記事を掲載して以降は形勢逆転し、賛成派は勢いを取り戻すことができなかった。当該記事は大阪市の試算を根拠に書かれ、他紙も追随。維新サイドは「根拠のない数字で選挙妨害だ」と猛抗議し、市は撤回し陳謝したものの、「コスト」がトレンドワード入りするなど拡散し続け、勝敗を決める決定打となった。
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