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臀部の辺りが痒いなと思い掻いていると、痒い箇所が次々に広がっていく。やがて背中も腹も脇も痒くなり、全身が痒くなった。掻けば掻くほど発疹が広がり、赤みも凹凸も鮮明になっていく。鏡を見て、胴体を覆い尽くしたブツブツ状の発疹にゾッとする。おぞましい気分がマイナス面でのプラセボ効果(自己暗示効果）になるのか、発疹は四肢に伸び、首頭、手先以外の全身が程なく斑模様になってしまった。

それが2週間前のことである。最初は乾燥肌かダニに喰われたかと思ったが、全身に広がる過程で可能性を除外し、命に関わるようなアレルギー反応、アナフィラキシー・ショックか、肝機能障害による胆汁の鬱滞なのかもしれないと考えた。

食生活も健康状態も何ら変化がない中で、突然に表れた皮膚の異常事態。焦った。体からの緊急サインに違いないと思い、消化器内科に駆け込んだ。内科医は私の顔を見るや否や、「白目が黄色く濁ってないから胆汁じゃないですよ」と即答し、念のために血液検査をした後で、皮膚科に行くよう薦められた。皮膚科に直行すると、診療医は「原因は分からないが、何らかのアレルギー反応でしょう」という。

その「何らか」を知るために1時間以上も待って診療にたどり着いたのだが、