米国のマイク・ポンペオ国務長官は先週国務省のロバート・デステロ人権など担当者次官補をチベット担当特使( special envoy)に任命した。報道によっては特別調整官(special coordinator)共表記している。デストロ氏は直ちにチベット亡命政府のロブサン・サンゲ主席大臣(首相)と国務省で会見した。今までも歴代の米大統領がダライ・ラマ法王と会談しましたが、それはチベットの最高精神指導者という立場であったので、亡命政府の政治指導者と米国高官が合ったことは注目に値する進展であった。当然、中国政府は予想通りもう反して「 米国による中国の内政干渉である」としてトランプ政権を猛烈に批判した。
亡命先のインドに戻ったロブサン・サンゲ主席大臣はインドのメディアに「 これは歴史的なできごとで、アメリカがチベット国民が民主的に選んだリーダーとCTA(Tibetan Central Administration チベット人中央政庁)を認知した 、米国政府による賢明なジスチャーである。」と語っている。
米国の議会は2002年以来数回に渡って「 チベット人自ら未来のダライ・ラマ法王の転生者を選ぶ権利や自然環境の保全、宗教の自由・人権の尊重と保障」を求める決議を可決して支持を表明して来たが政府が公式に支持を表したことはなかっただけに今回のできごとは米国による強いメッセージであると歓迎したい。
今回のトランプ政権の行動に背景には2つの理由が考えられる。一つはアメリカ大衆が中国共産一党独裁政権の正体を見抜き米国はじめ世界の平和にとって脅威であると言う認識が高まっており、大統領選挙にも影響する可能性がある中バイデン候補が「トランプ大統領がダライ・ラマ法王に会うことを避け来たが自分が当選したら躊躇なく法王会う」として言明したことに加え、チベットで今年1月から7月まで6カ月で54万3000人がウイグル同様強制的に強制収容場にいれらと事実報道され、南モンゴル同様チベットでも学校教育でチベット語が禁止されいる実態が明るみ出たので、アメリカ選挙民に対して両候補者が対中政策で競うようになっている。
勿論アメリカの世界のリーダーしての地位を脅かす存在として中国の中国覇権主義、領土拡張主義の暴走は周辺諸国の侵食から世界制覇を目論む存在になっていることへ危機感への対応としてダライ・ラマ法王( チベット・カード)の有効性を正確にアメリカは認識しているからだろう。鵜の目鷹の目で世界を眺める国アメリカならではの情勢認識でしょう。デステロ調整官は「 中国政府ダライ・ラマ法王と意味のある対話の早期実現」のために働きかけると語っている。習近平政権は毛沢東の文化大革命再来のような宗教弾圧、言論統制に加え、計画的、構造的同化政策、民族浄化政策をチベット、ウイグル、南モンゴルで強行している。南モンゴルでは人口の約80%は中国人が占めてまさに南では自分の領土内で少数に成り下がったいる。チベットの都ラサでも同様に80%を中国人が占め、いわゆる「自治区」内でも中国人が半数を超えていると最近聞きました。それ以外のアムド(青海省)やカーム( 四川省、雲南省 )に編入したチベットの地域で中国人移住者が増えていると言う。中国人が増えることによってチベット固有の伝統文化に基づく生活を奪って同化を押し進んめている。
ダライ・ラマ法王はこれを 「 文化的ジェノサイド(虐殺)」世界に訴えていらしゃる。これに対し米国やヨーロッパの政治家、言論人、芸能人などが、声明文、決議文など多様な形で声をあげている。日本が先進国の一員として「見ざる、聞かざる、言わざる」の姿勢を改められることを祈願する。