kiji記事
【論説】拉致も北方領土も改憲も…全ての希望が潰えた
安倍首相が辞任する。
おそらく安倍政権は戦後政治史の中で最も求心力を持った政権だったと言える。その大きな要因は、直前まで3年余にわたって政権を担った民主党政権の失政にある。
政権公約で訴えてきた霞が関の埋蔵金や農家補償、沖縄米軍基地移設の問題解決など、民主党政権はことごとく約束を破る「決められない政治」に終始した。尖閣諸島付近で中国漁船が海上保安庁の船に体当たりした事件では、船長を釈放し、政府の対応に批判が集まった。東日本大震災では首相自ら現場をかき回すドタバタ劇を繰り返して、支持率はつるべ落としとなった。国民の間には「民主党に騙された」という嫌悪感と、二度とリベラル・革新の嘘には惑わされまいとするトラウマが生まれ、第二次安倍政権の強力な支持につながった。
安倍政権は第一次政権でも教育基本法改正や防衛庁の省昇格、国民投票法の成立など、歴代政権が成し遂げられなかった戦後レジームの脱却を推進した。ただ、世論の関心とはズレた政策テーマだったためにさほど評価されず、閣僚の失態などで支持率を失う結果に終わった。
第二次政権はその反省に立って、経済政策を一丁目一番地にしたアベノミクスで世論の期待に応えると、外交でも世界中を飛び回り「地球儀を俯瞰する外交」で世界のリーダーと対等以上にわたり合い、政権の長期化に伴って知名度も世界的なものとなった。
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