武漢肺炎、チベット侵略、ウイグル迫害、香港問題、尖閣侵攻、南シナ海占拠、いまや中国のトラブルは毎日の事になっています。しかし少し前までは、中国ファンと言える日本人達が確かにいました。
けれどそれは、中国の幻影を見ていたのかも知れません。日本人が憧れたシルクロードは主に東トルキスタンにあり、中国ではありませんし、あの愛らしいパンダもチベットの動物です。それだけではありません。本来の中国人と思われていた漢民族は、秦の始皇帝の少し後までしか存在しなかったのです。日本から遣唐使として命がけで通った「唐の国」その玄宗皇帝や楊貴妃も、実は北の騎馬民族出身でした。
その後もモンゴル族や北方の騎馬民族国家などが中国の地に新たな国を建ててきたのです。中国は元々多民族国家であり、中国が主張するような漢民族の国ではないのです。
最近、豪州で発行され世界中で読まれている「サイレント・インベーション」という本があります。これは中国人がどうやって世界を合法的に侵略しているか、その方法が具体的に書かれています。
例えば中国人が豪州で帰化すれば、豪州に同化すると考えるのが世界の常識ですが、その考えは中国には通用しません。中国のやり方は中国国内に残る家族を人質にして、他国に帰化した人々を意のままに動かすのです。また、中国で出版された有名な戦いの本「孫子の兵法」は、いわば敵を騙すための方法が書かれています。更には10年ほど前に同じく中国軍人により出版され、世界中の軍関係者の度肝を抜いた「超限戦」は、勝つためには何でも有りの内容で、既に生物兵器の内容も書かれていました。これが中国の戦い方です。
けれど日本は違います。日米開戦直後、当時の東條英樹首相は在米の日本語学校の校長を通して、米国国籍を持つ日系二世に対して「米国で生まれた日系二世の人達はアメリカ人として祖国アメリカの為に戦うべきである。なぜなら、君主の為、祖国の為に戦うのは即ち武士道である。」
というメッセージを送ったそうです。
これには「日本人として米国と戦え!」という命令が出ると予想していた日系人は驚きました。その言葉に後押しされたのか彼らは米国人として戦争に参加し、主にヨーロッパ戦線で独軍と戦いました。死をも恐れないその強さは多くの戦死者を出しながら、パールハーバーで日本を憎んでいた米国民にさえ認められ、史上最強の442部隊として勇名をはせました。命を捨てて米国の為に戦った彼らはやがて、米国内での日本人の評価や地位を上げていきました。
戦後1960年(昭和35年)日米安全保障条約が締結されましたが、この陰には米軍として戦った日系二世と、日本軍として戦った先人達の命がけの祖国愛があったからだと思います。
70年前米国と戦った日本と、米国に支援された中国。けれどその後、日本は米国と同盟を結び、東西冷戦も共に戦ってきました。一方中国は米国が中国との供給網の切り崩しに動く中、技術の鍵を握る半導体の国内製造を必死で加速させています。
世界の流れは変わろうとしています。アジアの中で日本は再び、その真価を問われています。中国に引きずられることなく日本は、自由主義国家の一員として、世界とアジアの平和を守らねばなりません。それが今、日本がなすべき責務であると思います。