白人警官に膝で首を圧迫されて黒人男性が死亡した事件をきっかけに、人種差別撤廃を訴える抗議デモが全米に広がっている。

事件は5月25日、ミネソタ州ミネアポリスで発生した。偽札を使って買い物をしている客がいると思い込んだ店主からの通報で駆け付けた白人警察官の1人が、現場にいたジョージ・フロイドさん(46)を車から引きずり出した。無抵抗のジョージさんを地面に組み伏せ自身の膝で計7分間にわたってフロイドさんの首を圧迫し続け、窒息死させた。

圧迫されている間、フロイドさんは苦しそうな声で「I can’t breathe(息ができない)」と訴え続けた。その様子を動画で撮影し続けた通行人も「無抵抗なのだから、呼吸をさせてあげてくれ」と頼み続けるが、計3人の警官は「話ができている」などとして取り合わず、最後はぐったりとしてしまった。