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【読者投稿】国境の島 対馬を訪ねて。
国境の島 対馬を訪ねて。
5月26日『日露・対馬沖開戦追悼慰霊祭』参列のため対馬を訪ねた。
上空から見る対馬の海は青く透き通っていた。到着ゲートを出ると「祝 通信使 ユネスコ記憶遺産登録」の横断幕が目に入った。
朝鮮通信使には、「蔑視ありきの自民族中心主義に基く歴史観」という問題がある。
下記のように韓国国定教科書に記述されている。
「日本は朝鮮を文化の先進国と考え、使節を派遣するよう要請してきた。(中略)日本は通信使の一行をとおして先進学問と技術を学ぼうと懸命であった。したがって通信使は外交使節としてだけでなく、朝鮮の先進文化を倭奴(日本)に伝播する役割も果たした。
(中略)わが民族は身分の貴賎や男女老若を問わず、文化的東アジアの文化的後進国であった日本は、朝鮮から活字、書籍、絵画、陶磁器などの文化財を略奪し、多くの技術者と学者等を拉致していった。これとともに朝鮮の性理学も伝えられ、日本の文化発展に大きな影響を及ぼした。」(韓国国定教科書より)
上対馬西泊にある西泊公園には先帝の御製の碑が建っている。
30数年前に陛下は植物がお好きだと聞いた上対馬町長がヒトツバタゴの若木を宮内庁に持参したが、全国から植物が献上されては収集がつかないため一旦はお断りしたが、当時の宮内庁次官が珍しい花木だということで、内々に城内に植えた。数年後、見事に花開いたヒトツバタゴを陛下がご叡覧になられ大変お喜びになり御製を詠まれた。
「我が庭の ひとつばたごを 見つつ思う 海の彼方の対馬の春を」
対馬には歴史的、文化的に大切に残すべき場所が多くあり、日本人が観光目的として旅行する価値がある。けれども、韓国から50キロほどということもあり、10数年前に比べれば韓国人旅行者は少なくなったとはいえ、残念ながら韓国人旅行者の方が日本人に比べれば圧倒的に多い。
事もあろうに自衛隊基地のそばには韓国人経営によるホテルが建てられ、宿泊客はもちろん韓国人だと聞き愕然とした。
韓国人経営の店舗が立ち並び、韓国人観光客がお金を落とす。島一番の浜辺だった所は、韓国人利用者に占領され日本人は近寄らなくなり、白く美しかった砂浜は、韓国人利用者が持ち込んだキムチで赤くなり、食べ残しのキムチで浜辺にあるテントは悪臭を放っているという。
わずか50キロという距離にある朝鮮半島からの観光客に頼りたくなる気持ちはわからなくはないが、対馬自身が日本人観光客を増やす為に県や国と真剣に協議をしなくては、知らぬ間に歴史、文化、島そのものを破壊し、塗り替えられる結果を招いてしまう危機感を持った。
現在の朝鮮半島の緊張感は我が国も他人事ではなく、我が国の離島防衛強化の更なる現実的見直しが急務であると感じた旅であった。