nihonkyousantou「日本共産党の実態」

共産主義とはなにか? 共産主義研究家 安東 幹

共産主義とはなにか?
共産主義研究家 安東 幹

 
 共産主義は、恐ろしい思想である。これまでに世界中で二億人近くの無実の人を殺害した。フランス知識人により執筆された『共産主義黒書』(一九九七年)に詳細に記述されている。近年、文庫本も出版されているので、ぜひ、読んでいただきたい。日本共産党は、その恐ろしい共産主義の一種である科学的社会主義を理論的支柱として活動する。日本共産党が政権入りするようなことがあってはならない。
 
 現在、共産主義国は、中国、北朝鮮、ベトナム、キューバ、ラオスの五か国である。中国共産党は、過去、強制収容所、人為的な飢餓、文化大革命、粛清などで六千五百万人ともいわれる無実の国民を殺害した。今でも、法輪功、民主主義を主張する人や人権活動家への弾圧が続いている。また、チベットやウイグルなどで民族の権利を訴える人への弾圧が続いている。北朝鮮のひどさについては改めて述べるまでもない。ベトナム、キューバ、ラオスでは、一党独裁が続いていて、国民に自由がない。過去、ロシアの前身のソ連は共産主義国(社会主義国)であったが、ソ連全体が強制収容所列島と化していて、共産主義を批判したり民族の権利を主張したりする者などがむりやり強制収容所に送られ、二千万人ともいわれる無実の国民が殺害された。東欧諸国もユーゴスラビアも同様であった。
 
 共産主義は全体主義である。一般に左翼全体主義と呼ばれる。共産主義国には自由がない。その国の共産党(労働党)は、みんなの意思を代表しているとされ、無条件に従わなければならないとされる。従わない人、自由を主張する人は、みんなの敵、国民の敵とされ、繰り返し自己批判を迫られる。日本共産党においても、上級に下級組織は無条件に従うことが要求される。これは、他の政党にはない、民主集中制と呼ばれる。
 
 共産主義思想は、十九世紀にヨーロッパを渡り歩いたマルクスとエンゲルスが体系化し、ロシア(ソ連)のレーニンが手を加えた。日本共産党の公式イデオロギーによると、マルクスの剰余価値学説の発見と史的唯物論の発展によって科学となった。
 
 日本共産党のイデオロギー活動は現在も行われている。日本共産党を相談相手とし、日本共産党について学び、選挙の時に日本共産党の躍進のために奮闘する、実質上、日本共産党の青年部である日本民主青年同盟を相手に、マルクス、エンゲルス、レーニンなどの著作を学ぶ学習会が開催されている。日本民主青年同盟東京都委員会のウェッブサイトには、「マルクスが開拓した理論『科学的社会主義』を学ぶためのミニ学習会、古典読書会を随時開催しています」とあり、『賃労働と資本 賃金、価格および利潤』の書籍の写真がある。いまだ、剰余価値学説を学んでいる。
 
 日本共産党は天皇制を否定している。民族によるDNAの違い、男女の差異の科学的分析を拒否する。それでは、真の平等は生まれないのではないかと危惧が指摘されている。
 
 共産主義の特徴の一つに史的唯物論がある。これは、人類社会には歴史の発展法則があり、人類の社会は最終的に共産主義社会に到達するというものである。そして、人間の意識、法律、文化、政治など(マルクスは上部構造と呼ぶ)は、経済構造(マルクスは下部構造と呼ぶ)に規定されるとする。ここから、危険な発想である、経済構造を変えれば、上部構造も自然に変わり、理想の社会が実現するという発想が生まれる。共産主義の経済構造とは国有化であるが、少々の手段を使っても、暴力を使っても、資本主義体制を破壊し、生産手段を国有化することによる共産主義社会を実現することが正当化される。
 
 共産主義は無神論である。すべての宗教や超越的なもの、尊いものを否定する。ありとあらゆる価値観、徳を否定する。それで、唯物論は精神的な尊いものを認めないと批判が多い。共産主義は、みんなで仕事をする時の連帯感を、プロレタリアヒューマニズムとして、新しい価値であると主張する。