cc「中朝国境の旅」

連載第17回 逮捕の思い出 野牧雅子(宮塚コリア研究所研究員)

連載第17回 逮捕の思い出
野牧雅子(宮塚コリア研究所研究員)

 
 「北京に連れて行かれるかもしれない。覚悟しろ。」
この一言で私はこれから先を決意した。
これから、電気棒チリチリが始まる。勤務先では大騒ぎになるだろう。私の愛猫達をかかえ、ペットシッターさんが戸惑って猫シェルターに駆け込むに違いない。色々なことを想像した。
とりあえず、猫が飢え死にしたら可哀そうなので、ペットシッターさんに車の中から電話をして、よろしくお願いします、と悲壮にお願いした。
勤務している学校にも電話したら、仲良しの女性教員がちょうど窓口に出た。
「え、ホントー?わー」と彼女は叫び、「大変、大変、野牧さんが中国で捕まっちゃったんだって」と大声でまわりのみなに知らせているのが聞こえた。
 
 夫は「電話をしまえ。取り上げられるぞ。」と小声で言った。
私は夫に、私達を捕まえた中国人達の悪口を次々に喋った。

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