columnコラム
〔写真レポート〕福島県飯館村を訪ねて
福島県飯館村を訪ねて
まず飯館村に入り目にしたものは、いたる所に高く積み上げられている除染土のうの山だった。
そしてその間にはソーラーパネルも多数見られる。
山間の樹々が深く生い茂る飯館村への数キロにこのような光景がいたる所に広がっている。
対向車もすれ違い作業する人の姿は見られたが、避難解除されてまもないこともあるのだろうか、村民の姿は多くは見られなかった。
飯館村役場に向かう途中には、平屋建てで外観の良い老人ホームも建っていた。
残念ながら老人ホームという施設のため、何名の方が入居されているのかはわからなかった。
飯館村役場の正面にある祠に寄り添う二尊のお地蔵さま『心なごませ地蔵』の頭を撫でると、子供たちの合唱が流れる。
子供たちの合唱は元気で伸びやかな歌声であった。
飯館村のほぼ中央には綿津見神社がある。
福島第1原発事故後に出された全村避難指示決定に対し、宮司様はご家族を仮設住宅に転居させ一人村とどまり神社を守っておられる。
宮司様ご夫妻にご挨拶をさせていただき鳥居をくぐろうとしたとき、奥さまが小走りに追いかけて来られ、突然お邪魔した私たちにペットボトルのお茶をわざわざ手渡してくださり、いつまでも見送ってくださっていた。
神社を守ることは村民を守ること、村民を守ることは飯館村を守ること、飯館村を守ることは日本の原風景を未来へ繋いでいくこと…私はそのように感じ、飯館村を後にした。
編集部 山下