araki「拉致問題の闇を切る」
山本美保さんDNAデータ偽装事件と拉致の闇(2) 荒木和博
山本美保さんDNAデータ偽装事件と拉致の闇(2)
荒木和博
1月に(1)を書いてから途中金正男暗殺とかミサイル発射などがあり(2)が書けませんでした。本来(2)は後半部分の事実関係を中心に書くつもりだったのですが、現下の状況が緊迫しているので、それとの絡みで書きます。恐縮ですが、事実関係については拙著『山本美保さん失踪事件の謎を追う』(草思社・平成24年)やYouTubeにアップロードされているアニメ『真実は一つ』(各約10分)などをご覧下さい。
第1部 https://youtu.be/JJyYUDsHQao
第2部 https://youtu.be/M7khwsS1xfs
第3部 https://youtu.be/XFl4drT1kYY
またFacebookでも「山本美保さんDNAデータ偽装事件の真相を究明する会」のページがあります。これらで大体のことは分かります。
申し上げたいことは、拉致問題においてこれらの根本的問題が完全に隠蔽されているのは過去のことではなく、現在の状況だということです。
安倍総理は拉致問題が「最優先課題」であると繰り返し発言しています。加藤拉致問題担当大臣も同様です。しかし、それが嘘であることは誰の目にも明らかです。拉致問題担当大臣及び拉致問題対策本部事務局最大の仕事は、乱暴に言えば「家族会が怒って政府に反旗を翻すのをなだめる」ことなのです。
「拉致問題担当大臣」「拉致問題対策本部事務局」と言えば、おそらく9割以上の人は被害者を救出するための直接的な仕事をしているのだろうと思うでしょう。しかし、外交は外務省がやっていることで加藤大臣は交渉にはほとんどタッチしていません。警察に対する権限もありません。対策本部事務局には情報の担当はいるものの、警察や外務省、海保や公安調査庁などからの出向者がバラバラに活動をしており、情報の共有はほとんどなされていません。
意外に思われるでしょうが、この情報部門は民主党政権で中井洽拉致問題担当大臣が拡充したもので、それまでは情報収集の担当者はほとんどいませんでした。それ以外のスタッフが何をしているかと言えば、家族会対策(一部は特定失踪者家族対策)と、パンフやイベントなどの広報活動がほとんどです。もちろん熱心に仕事をしている人はいますが、組織として拉致被害者救出の努力をしているわけではないのです。
拉致問題の象徴とも言える横田めぐみさん拉致事件について、私たちは調査・検証の結果、事件発生(昭和52年11月15日)当時から政府が北朝鮮による拉致事件であると分かっていたと確信しました。最近横田めぐみさん拉致40周年、家族会20周年の報道で、20年前に明らかになったと思っているかたもおられるでしょう。これは嘘です。政府・警察は20年間国民にはもちろん、家族にすらめぐみさんが北朝鮮に拉致されたことを隠し続けてきたのです。
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