nishimura西村眞悟「明治の精神を持って国難を克服すべし」
【特別寄稿】北朝鮮ー独自防衛体制ー日米同盟 西村眞悟
【特別寄稿】
北朝鮮ー独自防衛体制ー日米同盟
西村眞悟
春の山河に花が咲くのどかな我が国の周辺には、緊張した朝鮮半島情勢が展開している。その殺伐とした情勢の立役者である北朝鮮の三代目の独裁者金正恩は、昨年九月に五度目の核実験を行い、本年に入っては、その核弾頭を搭載するミサイルを試射し、自分の父の金正日元主席の長男である異母兄の金正男をクワラルンプールにおいて猛毒サリンで殺害し、さらに日本本土にあるアメリカ軍基地を破壊するための訓練と公表してミサイル三発を我が国の排他的経済水域に弾着させた。
他方、三月一日に開始された空母カールビンソン打撃群と空母ロナルド・レーガン打撃群そしてイージス艦及び原子力潜水艦とステルス爆撃機群とステルス戦闘機群が参加する米韓合同軍事演習(フォールイーグル)は、現在、朝鮮半島周辺において継続して実施されている。
この状況において、中共の習近平主席がアメリカを訪問してトランプ大統領と首脳会談を行う直前の四月五日に、北朝鮮がミサイルを試射したところ、翌六日のフロリダでの米中首脳の夕食会の直前に、トランプ大統領は、アメリカ軍にシリア空軍基地の爆撃を命令し、会食中に爆撃成功の報告を受け、隣で食事を続けている習近平主席にシリア爆撃を告げたのである。その上で、トランプ大統領は、、食事の次の米中首脳会談において、習近平主席に、北朝鮮に対して中共の影響力を行使して核開発を抑止するように要請するとともに、事と次第によればアメリカの「独自の行動」もあり得ることを告げた。
つまり、トランプ大統領は、アメリカ軍によるシリア空爆という一石で、二丁の効果を挙げたのだ。それは、アメリカ軍によるシリア空爆を、食事中の習近平主席に伝えてアッと思わせることによって、シリアとロシアのみではなく、中共と北朝鮮に対する重大な警告に使ったという訳だ。まさに「政治」と「軍事」は車の両輪であり、トランプ氏は、「軍事」を以て「政治」を見事に為したのだ。このシリア爆撃の中共及び北朝鮮に対する効果は計り知れない。これによって、中共は、朝鮮半島のみならず、南シナ海や台湾及び尖閣に関しても重大な警告を受けたことになる。
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