gosei「天皇御製に学ぶ」
天皇御製に学ぶ 第十一回 四宮正貴
天皇御製に学ぶ 第十一回
四宮正貴
神武天皇御製
みつみつし 久米の子らが 粟生(あはふ)には 臭韮(かみら)一茎(ひともと) そねが茎 そね芽繋ぎて 撃ちてしやまむ
【みつみつし】「久米」に掛かる枕詞。「みつ」は威力が強い意の「稜威(いつ)」の転で、それを重ねて久米部の武威を讃へた言葉。【久米】氏族の名。久米部は軍事面で大和朝廷にお仕へした。『古事記』『日本書紀』によると、邇邇藝命が降臨あそばされた時、久米部の祖先神である天津久米命が、同じく武の家柄である大伴氏の先祖神・天忍日命と共にその先導を務めたとされる。背に靭を負ひ、腰に頭槌の剣、腕に鞆をつけ、弓を持ち、矢を手挟み、さらに鳴鏑の矢を持ちそへるといふいでたちで、高天原から降臨された。【子ら】人々。【粟生】粟畑。【臭韮一茎】臭い韮が一本。【そねが茎 そね芽繋ぎて】その根元に芽をつないで。【撃ちてしやまむ】撃たないでおくものか。
通釈は、「威勢のよい久米の人々の、粟の畑には臭い韮が一本生えてゐる。その根のもとに、その芽をくっつけて、やっつけてしまふぞ」といふ意。
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