minsha 「とおる雑言」

戸別訪問の解禁を アジア母子福祉協会常務理事 寺井 融

「やまと新聞」コラム「とおる雑言」

戸別訪問の解禁を

アジア母子福祉協会常務理事  寺井 融

 

 

 昨年十月末、ニューヨークとボストンを訪問した。

ときは、米大統領選の真っ最中。 

しかし、ネット、新聞、テレビの中で、熱気の帯びた戦いが繰り広げられていたものの、街はハロウィン一色。ドーナツ店にまで、仮装した店員が働いていた。唯一、トランプタワー前の道路にパトカーが止まっていて、妨害を警戒していたことが印象的であった。余談ながら、当方も同タワーをバックに写真をパチリ。お上りさんですねぇ。

それはさておき、アメリカの各種選挙は、資金集めパーティや演説会、そして戸別訪問が運動の中心である。ところが、日本では戸別訪問が禁止。ポスター貼りやビラ配り、それに大音量による連呼が、選挙期間中の風物詩となっている。つまり、決められた運動員による、限られた〝選挙運動〟によって、投票が行われているのだ。

果たして、それでよいのか。いっそ戸別訪問を解禁してみてはいかがか。

そもそも、戸別訪問を認められれば、①金銭の授受、買収が行われやすくなる②動員力のある組織政党が有利になる、などの危惧があるからだ、と言われてきた。

しかし、「買収は違法である」は、浸透してきているし、何よりも小選挙区制になって、同じ政党の候補同士による戦いがなくなり、投票行動は金額の多寡による、といったことは、少なくなってきているよりも、戸別訪問が解禁されれば、候補者並びに政党の政策力や説明能力が問われてくる。さらに、選挙運動への参加者が増えて行くのではないか。そうでもなければ、当選もおぼつかないであろうし……。

この記事は会員限定です。有料会員のご登録を行ってください。

有料会員登録

有料会員登録をする

会員の方はこちら

会員の方でコンテンツが表示されない場合は会費のお支払いが完了していないか、有効期限をご確認ください。